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太陽光発電所の建設予定地を確認する地域住民=姫路市砥堀
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太陽光発電所の建設予定地を確認する地域住民=姫路市砥堀
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 1990年代に「播磨空港」の建設が計画されていた姫路市北部の山林に、用地面積約170ヘクタールの大規模太陽光発電所(メガソーラー)の計画が浮上している。かつて、環境悪化の懸念から空港建設反対の声が上がった地元、砥堀(とほり)地区の住民らは14日までに、「大規模な造成や伐採で山林の保水能力が失われ、土砂災害の危険性が増す」として発電所計画を差し止めるよう求める要望書を兵庫県や姫路市に提出した。(井沢泰斗)

 事業を計画しているのは、全国で太陽光発電事業を展開する「Quantum Power合同会社」(東京都港区)。同社から計画を伝えられた住民によると、空港計画地を含む約170ヘクタールを造成し、うち約70ヘクタールに太陽光パネルを設置するという。

 同社は既に県姫路土木事務所へ開発事業の申出書を提出し、県の審査を受けている。だが、計画地から流れる砥堀川の氾濫や土砂崩れを経験してきた同地区では、地形を大きく変える大規模開発への不安が高まっているという。

 上砥堀自治会の大和道生会長(66)は「昨年の九州北部豪雨のように、土砂や流木が集落に押し寄せる災害が起こりかねない。地域のシンボルである豊かな自然も失われてしまう」と危惧する。

 同自治会も連なる砥堀地区連合自治会は工事反対の要望書や市議会への請願書を提出、署名運動も展開している。14日には、大和会長らが姫路市議会の建設委員会で陳述に立った。

 一方、同社の担当者は神戸新聞社の取材に「法的規制に基づいて事業を進めている。行政の指導に従い、調整池を設けるなど流域への影響にも配慮していきたい」と理解を求めている。

■景観、住環境…各地でトラブル要因に

 太陽光発電所を巡っては、再生可能エネルギーの「固定価格買い取り制度」開始以降、全国で建設が相次ぎ、景観や住環境、防災面などのトラブルの要因になってきた。

 播磨空港計画が存在した当時、建設に反対する市民グループの代表を務めた松本滋・兵庫県立大名誉教授(建築学)は「自然エネルギーの太陽光発電が、かえって環境にマイナスの影響を与える結果になっている」と指摘する。

 兵庫県内では2015年に赤穂市の山林で大規模発電所計画が浮上し、住民が反対の署名運動を展開。市は事業者に地元説明などを求める条例改正を行った。無秩序な開発を止めようと、丹波市や加東市、多可町などでも独自の規制条例を制定している。

 兵庫県も昨年、事業用地5千平方メートル以上の施設を設置する業者に地域住民への事前説明や事業計画の届け出を義務付ける条例を定めた。法的拘束力はないが、景観や安全面の施設基準に適合しない場合は、業者に指導や勧告がある。

 今回の姫路市北部での計画は県条例の対象。県姫路土木事務所の担当者は「地元反対もある事案なので、慎重に対応したい」と話した。(井沢泰斗)

 【播磨空港】 1991年の第6次空港整備5カ年計画(6次空整)に「調査・検討」が盛り込まれた地方空港。兵庫県は広峰山(姫路市)の山頂を削り、その残土を谷に埋めて2千メートルの滑走路を整備する計画だったが、環境悪化を懸念する市民の反対や経済不況を背景に2002年、事実上の中止が決まった。

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