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子どもを抱きながら、大学教授の講義に耳を傾ける「ぷちでガチ! 育休MBA」の受講者ら=大阪市中央区
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子どもを抱きながら、大学教授の講義に耳を傾ける「ぷちでガチ! 育休MBA」の受講者ら=大阪市中央区
精神科医の伊豆はるかさん(右端)が開くセミナー。時間のつくり方や感情のコントロールなどについて助言が受けられる=神戸市中央区
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精神科医の伊豆はるかさん(右端)が開くセミナー。時間のつくり方や感情のコントロールなどについて助言が受けられる=神戸市中央区

 育児休業中の女性が企画・運営する当事者向けのキャリアアップ講座が、注目されている。仕事のブランクに不安を抱く人が多く、復帰後も子育てと両立しながら職務能力をどう向上させるかに関心が高まっているからだ。経営学などの実践的なテーマを扱うほか、子連れで参加できる手軽さが支持されており、兵庫県内でも同様の講座が広がりつつある。(中務庸子)

 「ぷちでガチ! 育休MBA」-。2月下旬、大阪市内の製薬会社で開かれた講座のタイトルだ。本格的な経営の専門用語が次々と飛び出す。「『キャリアアンカー論』とは、大まかな方向性を決めること。『プランド・ハプンスタンス論』とは、臨機応変にチャンスをつかみ取ることと言える」。受講者たちは、泣く子をあやし、授乳し、おむつ替えをしながら、大学教授の話に耳を傾ける。この日のテーマは「自分をブランド化してキャリアを切り開く」。解説の後、活発なグループ討議も展開された。

 この講座は2015年、大阪の食品メーカーに勤めていた女性(41)が第2子出産に伴う育休中に同僚らと開講した。女性は第1子妊娠中に京都大のビジネススクールに入り、育児中も履修を続けて経営学修士(MBA)を取得した。「もっと気軽に勉強できれば」との思いから、子連れで参加できる同講座を考えた。

 現在は月に1度、大阪で講座を開く。テーマや講師の選定、会場の手配、受講者の募集や受付などの運営は、受講者の有志が担う。2年で延べ800人が受講。今月27日の月例講座は遠方からの参加者に配慮し、講師とテレビ電話でつなぐ遠隔会場を、神戸・三宮に初めて設けるという。

 受講者で運営にも携わる女性(31)は「境遇が一緒だから自分も頑張ろうと思える」。赤坂さんは「職務能力を高めるだけでなく、ママの異業種交流が将来の仕事につながる可能性もある」と期待する。

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 一方、精神科医の伊豆はるかさん(36)=神戸市=は、セミナー「マルチライフプロジェクト」を神戸市内などで開く。育児や家事を理由に、仕事や自己実現をあきらめがちな女性を応援する。

 集中力が持続する1時間半を目安に物事に取り組むことや、他人の承認を求めすぎずに自分の評価基準を持つことなど、精神科医ならではの視点で助言する。

 伊豆さん自身も3児の母で、育休中の17年秋からセミナーを始めた。現在は講義の動画配信なども検討している。伊豆さんは「考え方を変えるだけで、できなかったことができるようになる。人生を思い切り楽しめる人を増やしたい」と話している。

■県、関学大も支援講座開設

 職場復帰に備えた女性向け講座が各地で開かれるのは、育休の取得率が上昇していることが背景にある。

 厚生労働省によると、全国の育休取得率は1995年度の49・1%から2001年度に64%、04年度に72・3%へと上昇。07年度の90・6%をピークに減少に転じたが、その後も85%前後で高止まりしている。

 兵庫県立男女共同参画センター(神戸市中央区)は3年前から「育休復帰応援セミナー」を年に数回開き、復帰準備の要点を紹介する。関西学院大は08年から「ハッピーキャリアプログラム」と題し、育休復帰、再就職、起業を目指す女性向けのカリキュラムを展開。経営戦略▽人的資源▽マーケティング▽財務-などを半年間で教え、これまで計172人が修了した。

 講座を育休中の女性が自らの手で運営する例も増えており、ひょうご仕事と生活センター(同)の北尾真理子上席相談員は「育休中の母親自身が立ち上がることで、参加者も一歩を踏み出す勇気がもらえる。ニーズに合った講義内容も魅力の一つだ」と評価。一方で企業側には「育休中も社内イントラなどでの情報共有や研修などの支援が広がれば、復帰後すぐに業務に加われる」と注文する。

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