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「ぜひ作品づくりの輪に加わってほしい」と呼び掛ける池谷薫監督=元町映画館
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「ぜひ作品づくりの輪に加わってほしい」と呼び掛ける池谷薫監督=元町映画館

 ドキュメンタリー映画監督の池谷(いけや)薫さん(59)が今年から神戸に拠点を移し、新たに制作活動を始める。甲南女子大(神戸市東灘区)で教壇に立つほか、制作集団「元町プロダクション」を結成。「神戸から映像文化を発信していきたい」と意欲をみせる。(田中真治)

 「作品の解説だけでなく、撮影時の心理状態や対象との関係のつくり方まで開陳していきます」

 今月、元町映画館(神戸市中央区)で開かれた「池谷薫ドキュメンタリー塾」のガイダンス。熱っぽい語り口に、詰めかけた約40人が熱心に聞き入った。

 池谷監督は東京都出身。テレビドキュメンタリーの世界に入り、天安門事件後は、中国をテーマに数々の作品を演出。2002年からは映画に進出し、見捨てられた中国残留日本兵に密着した「蟻(あり)の兵隊」、中国政府の抑圧に対する“焼身抗議”が相次ぐチベットを描いた「ルンタ」などの作品で高い評価を得た。

 昨年、甲南女子大メディア表現学科の教授に就任。同時に、一般向けにドキュメンタリー塾を開講したところ、「撮りたいモチベーションを持った人が予想以上にいた」。

 阪神・淡路大震災で自宅が全壊し、長女を亡くした中北富代さん(65)=西宮市=には、会いたい人がいる。岩手県陸前高田市の佐藤直志さん(84)。池谷監督の「先祖になる」の主人公だ。佐藤さんは、東日本大震災で長男が津波にのまれても、先祖伝来の土地を離れず、自力で自宅を再建する。

 中北さんの自宅も耐震と環境に配慮し、建築家の夫が再建。「家に寄せる思いが共通している気がして、夫とお目にかかりたいと。それだけのつもりが、自分でその場面を撮りたくなった」。池谷監督の勧めもあり、機材の準備を始めたところだ。

 チベット支援に関わるボクサーの村田和也さん(30)=神戸市=は「引退試合を撮ってほしい」と提案する。「I●TIBET」のロゴのトランクスで立ってきたリングを離れて1年半。「チベットのことを知ってもらうきっかけになるなら、頑張る意味がある」とトレーニングに励む。

 中学教諭の鎌田隆男さん(61)=同=は、障害者の就労支援事業所「くららべーかりー」(同市長田区)で働く男性を撮ると決めている。定年前の勤務校の卒業生で、自立を果たしたたくましさに引かれていた。きっかけは、相模原市の障害者施設殺傷事件。「障害者への偏見をなんとか拭い去りたい」と決意は固い。

 「元プロ」のメンバーは現在、大学生から80代まで約25人。未経験者が大半だが、「ドキュメンタリーはどう撮るかよりも、何を撮るかだ」と池谷監督。技術面も含めてアドバイスをしながら、「1年以内に第1作を完成させ、テレビや劇場での発表を実現したい」と夢を描く。

※●はハートマーク

【ドキュメンタリー塾】4月5、19日▽5月10、17、31日▽6月14、21日-の全7回。各回午後7~9時、元町映画館2階イベントルームで。全回1万円、1回参加は2千円(学生半額)。定員35人。ワークショップや10月からの後期課程も予定。同館TEL078・366・2636

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