国鉄の名残、駅名標「こうべ」撤去 SNSで惜しむ声続々

2018/03/03 15:15

JR神戸駅の歴史をホーム上から見守ってきた、撤去前の古い名標。手書きの平仮名文字が昭和へのノスタルジーを誘う=神戸市中央区相生町3

 JR神戸駅(神戸市中央区)のホーム上の柱にあったホーロー製の駅名標(えきめいひょう)が昨年末に撤去され、ネット上などで鉄道ファンから惜しむ声が上がっている。明朝(みんちょう)体の平仮名で「こうべ」と記された名標は国鉄時代の昭和20年代に設置されたとみられ、1874(明治7)年の開業から140年以上たった同駅の歴史のおよそ半分を見守ってきた。撤去後もファンらの“聖地巡礼”はやまず、名標の行く末を気に掛ける声が後を絶たない。(小西隆久)

 京都鉄道博物館(京都市)などによると、1946(昭和21)年に運輸省(現国土交通省)が駅の名標などについて、大きさは縦75センチ、横15センチ▽色は群青に白文字▽字体は明朝-などと規定した。同駅の名標はほぼ一致しており、54(同29)年に字体の規定が丸ゴシックに変更されるまでの間に設置されたとみられる。
 名標は同駅の下りホームの柱にあったが、駅に番号を付けて訪日外国人にも分かりやすくする「駅ナンバリング」の導入に伴う名標の更新で、昨年12月下旬に取り外された。JR西日本によると、同時期にあった柱を塗り直す作業で、剥がした塗料の下から柱に直接「こうべ」と書かれた名標も6カ所で確認されたが、全て塗り替えられた。
■惜しむファン 絶えぬ来訪
 こうしたホーロー製の駅名標の現存例は「京阪神エリアでは極めて珍しい」(JR西日本)といい、撤去のニュースは昨年末に雑誌「鉄道ファン」でも取り上げられた。ツイッター上では“在りし日”の姿を撮影した写真が投稿されるとともに、「ついに撤去されてしまいました」「この駅名標、どこかに保存されているとよいのですが…」などのコメントが数多く並んだ。
 名標の撤去跡を確認するため、同駅を訪れる熱心なファンもいるという。そして、ファンが最も気をもむ肝心の名標は同駅の駅長室で大切に保管されており、「京都鉄道博物館などへの寄贈も含め検討したい」とJR西。再び日の目を見る日がやってくる可能性は高そうだ。

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