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神戸・旧居留地を歩行者天国にして開かれたナイトマーケット=神戸市中央区播磨町
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神戸・旧居留地を歩行者天国にして開かれたナイトマーケット=神戸市中央区播磨町

 「夜間市場」を経済活性化の鍵にしようとする動きが活発化してきた。夜のまちを楽しんでもらい消費を促す「ナイトタイムエコノミー」という言葉も登場し、国や自治体などが成長戦略の一環に掲げる。「夜も楽しめる観光地や店が少ない」。増加する訪日外国人観光客からも不満の声が上がっており、兵庫県内でも各地で、訪日客の心をつかみ滞在時間を延ばしてもらおうと、あの手この手を繰り出している。(末永陽子)

 「日本の夜はつまらない」-。4月から大阪で働くという来日1年の韓国人男性(24)が苦笑する。地元からの友人を連れて行ける場所が少なく、「夕食後は街を歩き回っただけで帰った日もあった」と漏らす。

 3月31日夕刻、大丸神戸店(神戸市中央区)周辺が歩行者天国となり、地元の飲食店や雑貨店などが並ぶテントが登場した。「旧居留地ナイトマーケット」。同神戸店などでつくる実行委員会が「夜の旧居留地で遊んでほしい」と企画。昨秋に続き、2回目となった。

 商店主らによるグループ「神戸マルシェ」が出店。和食やフレンチなど名店の特別メニューに行列ができ、日本酒やワインを手にした観光客らでにぎわった。

 友人と訪れた米国人のバーチュ・スラファンさん(51)は「欧米は夜中遊べる場所が多いけど、日本は少ない。こんなふうに大人が夜を楽しめるイベントは大歓迎」と“夜”を満喫した。

 訪日客数で大阪や京都に大きく水をあけられている神戸。三菱総合研究所が2017年に行った調査では、最多となった大阪の「難波・心斎橋」702万人に対し、「神戸・三宮」は74万人にとどまった。危機感を背景に、神戸市内では昨年、夜景を巡るツアーや博物館の夜間営業、バスの夜間運行など、実験的な取り組みが次々と行われた。

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 また姫路市は、世界文化遺産・国宝姫路城の期間限定で夜間開放に乗り出した。昨年11月にイルミネーションを使ったイベントを開き、4カ国語の看板も用意。17日間で当初目標の3・5倍となる約9万人もの人出となった。

 ただ、需要を見込んで営業時間を延長した周辺の飲食店や土産店からは「周りの店がほとんど開いておらず、素通りされた」「経費以上に売り上げが伸びず、赤字の日もあった」などの声もあり、課題は残る。今年も同様の催しを企画する同市観光振興課は「集客力が上がれば、波及効果も高くなる。秋のイベントとして定着させたい」と意気込んでいる。

【新たな「遊び場」で消費促す】

 訪日外国人観光客は増え続けているものの、消費金額の伸び悩みが新たな課題として浮上している。

 観光庁によると、2017年の外国人旅行者は2869万人で、消費総額は4兆4161億円だった。いずれも過去最高。ただ、中国人による「爆買い」が落ち着き、1人あたり消費額は減少傾向にあるという。

 海外では夜遅くまで開く美術館や劇場があり、夜間観光の選択肢が多い。16年に日本政策投資銀行が訪日客を対象に行った調査では、日本旅行の不満点に、言語対応や食事の値段などと並んで「ナイトライフ体験」が挙げられた。「終電が早く、遅くまで楽しめない」「夜に行ける文化・芸術の場所がない」などの声は根強い。

 ダンスを踊る「クラブ」の終夜営業が可能になった改正風営法が16年6月に施行され、国は「ナイトタイムエコノミー」に力を入れている。今年1月には自民党の議員連盟が、鉄道・バスの24時間運行などを求める提言書をまとめ、観光庁などが官民を挙げて推進する意欲を示した。

 関西でも取り組みが広がりつつあり、大阪府は2017年度から夜間市場向けの補助金を創設。補助金を受けたクラブは外国人観光客向けに、和太鼓や三味線、忍者姿のダンサーらによるショーを開いているという。(末永陽子)

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