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おいしそうに食事を頬張る子ども食堂の利用者ら=2017年12月、神戸市内(撮影・吉田敦史)
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おいしそうに食事を頬張る子ども食堂の利用者ら=2017年12月、神戸市内(撮影・吉田敦史)

 兵庫県内でも広がりを見せる「子ども食堂」。自宅などを開放した小規模なものや、朝食を提供する形も登場し、子どもの貧困対策という意味合いを超え、見守りや学習支援、子育て中の母親のサポート、3世代交流など多様な役割を備え、子どもを核にした「つながりの場」として根付きつつある。一方、自治体の支援には地域差があり、運営費やスタッフの確保、教育・福祉との連携も課題だ。

 「気になる子どもをピンポイントで支援するのは無理。とにかく居心地のいい場所をつくりたい」。赤穂市で「あこう子ども食堂」を運営する岩崎由美子さん(53)は力を込める。

 月2回、市内のステーキ店から提供されたすじ肉を煮込んだ特製カレーを50人ほどの子どもが頬張る。米3~4升があっという間に売り切れ、食べ終わると、関西福祉大の学生と宿題をしたり一緒に遊んだり。日々子育てに追われる母親も訪れ、ほっと一息つく姿もあるという。

 多くの子どもが来れば、中には学校や家庭に悩みを抱えた子もいる。「そんな子たちを特別扱いせず、そっと見守る場でありたい」と岩崎さん。

 夕飯や長期休暇中の昼食に加え、淡路市では「元気の源である朝食をしっかり食べてほしい」と、校舎隣の施設で「みんなの朝ごはん」が始まった。

 教育や福祉との連携も欠かせない。尼崎市の「にじっ子夕やけ食堂in園田」の中西志津子さん(56)の元には、学校の保健室から「連れて行きたい子がいる」と連絡が入ることも。新しく始めた団体の中には、「信用できない」と拒まれるケースもあるが、元々、学校や行政、社会福祉協議会とのつながりがあったことが奏功した。

 懸念もある。スタッフの大半が70代の女性で「息長く続けるには世代交代も必要だが、今は60歳を過ぎても働く人が多く、なかなか集まらない」と話す。

 人材と、施設利用料や光熱費といった運営費の確保には、多くの食堂が頭を悩ませる。県内で独自に運営補助をしているのは神戸や明石、赤穂市など少数にとどまる。多くの食堂がボランティアの手弁当で乗り切っているのが現状だ。

 加古川市内で2カ所の子ども食堂を運営するNPO法人ワンハートの藤田のりえさん(68)は「補助だけでなく、子どもの居場所や、地域で見守り育てるきっかけづくりの場として、行政にも位置づけてもらえたら」と話す。(広畑千春)

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