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「花形狂言2017冬の大ツアー熊本公演」に出演した茂山千五郎家の5人と貴田雄介さん(右端)=2017年2月、熊本県立劇場(同劇場提供)
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「花形狂言2017冬の大ツアー熊本公演」に出演した茂山千五郎家の5人と貴田雄介さん(右端)=2017年2月、熊本県立劇場(同劇場提供)
佐渡裕さんの指揮で、熊本地震の被災者に向けて演奏する「スーパーキッズ・オーケストラ」の熊本県庁公演=2016年7月(同劇場提供)
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佐渡裕さんの指揮で、熊本地震の被災者に向けて演奏する「スーパーキッズ・オーケストラ」の熊本県庁公演=2016年7月(同劇場提供)

 熊本地震直前に兵庫県立ピッコロ劇団(尼崎市)から熊本県立劇場(熊本市)に転職した貴田雄介さん(32)が、熊本の被災地で演劇や音楽などを通じた「心の復興」に携わっている。2016年4月1日に熊本へ移り、約2週間で被災。自身や職員にけがはなかったが、劇場は4カ月以上閉鎖された。それでも同劇場が制作する各地での復興公演をスタッフとして支えてきた。「まだまだこれから」。観客らから感謝の声を励みに踏ん張る日々だ。(太中麻美)

 大阪府高石市出身で、大学在学中に身体障害者が表現を追究する「劇団態変」(大阪市)に感銘を受けた。卒業後は制作スタッフとして同劇団やピッコロ劇団に勤めた。「新たな場所で、演劇以外にもさまざまな分野の文化に触れて勉強したい」との思いが生まれ、熊本に移った。

 16年4月の熊本地震で熊本市内にある自宅アパートに大きな被害はなかった。しかし、熊本県立劇場は外壁パネルが落下しかけるなど、安全確保のため同8月末までの休館が決まった。

 そんな中、全国のアーティストから支援の申し出が相次いだ。同劇場は、5月から被災者の心の復興を目指す「アートキャラバンくまもと」を企画。被災地の学校や公民館へ演奏家を派遣したり、ワークショップを開いたりした。貴田さんは事業グループの一員として当日の運営を担った。

 16年度はコンサートや演劇ワークショップなど約140公演を実施。兵庫からは県立芸術文化センター(西宮市)を拠点にする世界的指揮者の佐渡裕さんが率いる「スーパーキッズ・オーケストラ」が訪れた。

 地震から1年ほどたつと、直後は公演できなかった場所にも行けるようになり、来場者からは「やっと来ることができた」との声も聞かれた。地震後、公演を重ねるたびに「芸術や文化が、被災者の力になれるんだ」と実感した。

 「地震で傷ついた人が、自分の力を取り戻していく過程に立ち会えることがうれしい」と貴田さん。今後も復興に携わり、経験をつないでいくつもりだ。

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