総合総合sougou

  • 印刷
「子どもたちが互いに無理せず共生するきっかけになれば」と話す吉富志津代さん=神戸市長田区海運町3、たかとりコミュニティセンター
拡大
「子どもたちが互いに無理せず共生するきっかけになれば」と話す吉富志津代さん=神戸市長田区海運町3、たかとりコミュニティセンター

 「わたしのことがキライなの?」「顔は日本人、だけどブラジル人?」「どうして頭にスカーフを巻いているの?」-。外国につながりを持つ子どもが増える中、同級生が疑問や誤解を乗り越え、「違う」ことに“楽しさ”を感じてほしいとの願いを込めて、多文化共生に力を尽くすNPO「多言語センターFACIL(ファシル)」(神戸市長田区)の理事長、吉富志津代さんが監修した本「同級生は外国人!?」(汐文社、全3巻)が発刊された。(鈴木久仁子)

 吉富さんは阪神・淡路大震災で大きな被害を受けた神戸市長田区で、日本語の分からない外国人被災者向けに、多言語で情報を届けるFM放送を手掛けたり、避難情報を翻訳したりするボランティア活動を展開した。現在も神戸を拠点に、自治体や教育機関、企業などと協力し、多言語情報の提供や翻訳、通訳業務などに携わる。名古屋外国語大世界共生学部の教授も務める。

 日常的に地域のベトナム人と付き合う中で、日本人は外国人を「お客」としてもてなすのは上手だが、いざ隣に住み、ゴミ出しや騒音問題に直面すると、とたんに“壁”ができてしまう現実を見てきた。時にはいじめにつながることもあり、「子どもたちが違いを乗り越えていく力になれば」と本作りを決意した。

 各巻には、実在する子ども4、5人のケースが紹介されている。

 例えば、中国から転校してきたリンちゃん。図工の時間にペアを組んでも、似顔絵を書いてくれない。遠足の時に唐揚げをあげようとしたのに、断られた-。日本人の同級生は「わたしのことキライなのかな」と悩んでしまう。

 本では、中国の学校で「お手本の絵を写すことはあっても、相手の顔を見てかくことはない」ことや、「冷たいごはんやおかずは体に悪いと考えられているのでお弁当の唐揚げは食べにくかったかも」と習慣や考え方の違いをていねいに解説。「人はだれでも自分の育った食べ物がおいしいと感じるし、やり方があたり前と思ってしまう。ちがいを知らなければ、きらいなんだと決めつけてしまったかも」とワンポイントアドバイスも添えた。

 小学校高学年以上を対象にルビをふり、カラーのイラストも多用。「学校図書などで活用してほしい」と吉富さんは呼び掛ける。

 「大人は、子どもが国に対して一つのイメージを持たないよう、環境の変化をチャンスと捉えてほしい」

 汐文社、各2700円。

【兵庫県内の外国人児童生徒数】2017年度の兵庫県学校基本調査によると、県内の学校に通う外国人児童生徒は3487人。神戸市教育委員会によると、17年5月時点で市立小学校では44カ国、中学校では20カ国の児童生徒が学んでおり、従来多かった韓国・朝鮮、中国、ベトナムなどに加え、インドや中東、アフリカ地域なども増え、多様化が進んでいる。

総合の最新
もっと見る

天気(9月20日)

  • 23℃
  • 20℃
  • 80%

  • 24℃
  • 17℃
  • 80%

  • 24℃
  • 21℃
  • 80%

  • 23℃
  • 20℃
  • 80%

お知らせ