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熊本地震2年について語る五百旗頭真・兵庫県立大学理事長=神戸市西区学園西町8、兵庫県立大
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熊本地震2年について語る五百旗頭真・兵庫県立大学理事長=神戸市西区学園西町8、兵庫県立大

 熊本地震から14日で2年。熊本県が設置した「くまもと復旧・復興有識者会議」は、震災からの創造的復興を打ち出した。4月から兵庫県立大理事長に就任し、同会議座長のほか、東日本大震災では政府の復興構想会議議長も務めた五百旗頭真(いおきべまこと)氏(74)に、熊本の復興の現状などを聞いた。

 -熊本の復興の進捗(しんちょく)は。

 「国や自治体、民間などの手厚い支援もあり、復旧は順調だ。発生当初は、国が被災地の要請を待たずに必要と見込まれる物資を輸送する『プッシュ型支援』で被災地を助けた。阪神・淡路大震災の教訓が生きた。今は、資材やマンパワー不足で家の再建が遅れがちだが、公共部門の再建は進んでいる」

 「交流人口を増やすため、空と海の港の整備が急務だ。熊本空港は、国が保有したまま運営権を売却するコンセッション方式で国際線を強化し、アジアの玄関口を目指す。八代港は岸壁を整備して大型クルーズを呼び、観光立県を進める」

 -阪神・淡路では「創造的復興」が掲げられた。

 「国際機関や県立美術館のある東部新都心(HAT神戸)、県立芸術文化センターのある西宮北口など、被災地に全く新しいものを創り出したのは注目される。東日本では、防潮堤の造成や高台移転などで、津波からの安全を確保した画期的なまちづくりを進めた。熊本は、空港周辺に先端企業を集めたシリコンバレー化が期待されている」

 -阪神・淡路以降、大規模災害時の国の公的支援が課題になった。東北や熊本ではどうだったか。

 「阪神・淡路大震災では、国は被災地に冷たかった。『公共インフラの復旧は国が面倒を見るが、創造的復興は地元のお金で』と。その結果、今も多額の負債が残っている。自宅の再建など私有財産にも支援はなかった。兵庫県が反対運動を展開し、被災者に最大300万円を支給する被災者生活再建支援法の成立につなげたのは大きい。東北や熊本も助かった」

 「東北では、菅内閣が創造的復興を認め、国民が増税を受け入れた。おかげで安全なまちづくりなど5年間の復興事業を全額国費で推進できたが、今後、地元負担を実質ゼロにすることは難しいだろう。熊本では、がれき撤去は国が9割以上を負担する。国は、阪神・淡路を契機に変わり、東北と熊本を経験し、バランスが取れたように感じる」

 -今後の兵庫と熊本との連携は。

 「兵庫県立大では、ビッグデータや人工知能(AI)などを新産業に活用する新学部を設立し、防災専門の減災復興政策研究科もあり、熊本と連携も考えたい。ともに震災の経験者として、次の被災地支援ができればすばらしい」

▽いおきべ・まこと 1943年、兵庫県西宮市生まれ。京都大大学院修了。神戸大法学部教授、防衛大学校長、熊本県立大理事長などを歴任。阪神・淡路大震災では、西宮市内の自宅が全壊した。震災の教訓を発信する「ひょうご震災記念21世紀研究機構」の理事長も務め、被災自治体首長や兵庫県幹部らから聞き取って記録を残した。専門は日本政治外交史。

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