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アルツハイマー型認知症の症状や、家族が心掛けることを解説する神戸学院大の前田潔特命教授=神戸市西区伊川谷町有瀬
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アルツハイマー型認知症の症状や、家族が心掛けることを解説する神戸学院大の前田潔特命教授=神戸市西区伊川谷町有瀬

 認知症患者の約半数を占めるとされる「アルツハイマー型認知症」は初期から記憶障害の症状があり、直前の出来事が思い出せなくなる。今年2月には神戸地裁で、スーパーで豚肉を万引したとして窃盗罪に問われた神戸市灘区の男性(87)が、ポケットに入れた商品を記憶障害によって忘れたとして無罪判決を受けた。認知症患者の買い物のトラブルを防ぐ手だてはあるのか。神戸市認知症対策監で、神戸学院大学特命教授の前田潔医師(71)に聞いた。(田中宏樹)

 -アルツハイマー型認知症の記憶障害では、どのような症状が出るのか。

 「極端に言うと10分前の記憶が失われ、3年や5年前の記憶は間違えない。同じ話を繰り返したり、眼鏡や鍵をどこに置いたかを忘れたりして家中を捜し回る。昨夜の夕食メニューを思い出せないのは加齢が原因と考えられるが、認知症の症状では食べたこと自体を忘れてしまう」

 -男性はスーパーで買い物かごを使わず、上着のポケットに豚肉1パックを入れた。手に持った商品は支払ったが、豚肉はポケットに入れたまま店外へ。「豚肉は忘れていて、支払うつもりだった」と主張した。

 「同認知症は直前の行為を記憶できないため、男性がポケットに豚肉を入れたこと自体を忘れたということも十分に考えられる。買い物かごを必ず持ち、購入する商品を入れるように習慣付けることが、トラブルを防ぐ方法の一つだ」

 -男性は窃盗容疑で逮捕され、勾留された。「再び今回のような目に遭うかも」と今もスーパーへ足を運べていない。認知症患者が1人で買い物をすることは難しいのか。

 「買い物は外出する機会で、認知症の進行を抑える効果もある。『家族の役に立っている』『通常の社会生活を送れている』と自尊感情を高めることにもつながるので大切だ。信号機の色が判別できなかったり、道に迷ったりしないのであれば、出掛ける方がよい」

 -家族は「もし店に迷惑をかけたら」と心配になる。

 「普段から立ち寄るスーパーであれば、あらかじめ事情を説明しておく。『代金を支払わずに店を出ることがあるかもしれないが、連絡をもらえれば支払いに行く』と伝えておけばよい。レジでの支払いに不安があれば、千円札や一万円札を出してお釣りをもらえば大丈夫」

 -ほかに、同認知症の患者を持つ家族が心掛けることは。

 「一対一での介護は負担が大きく、できるだけ公的な介護保険サービスを受けてほしい。『家のお金がない』『貯金が引き出されている』などの妄想や幻覚、攻撃性といった症状が出ると家族の負担が増す。悩みや困ったことがあれば抱え込まず、各地の地域包括支援センターやあんしんすこやかセンターに相談してほしい」

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