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バッタについて語る前野ウルド浩太郎さん。人前に立つと「もっと見て」と胸が高鳴るという=神戸市中央区
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バッタについて語る前野ウルド浩太郎さん。人前に立つと「もっと見て」と胸が高鳴るという=神戸市中央区
理工書担当の書店員と研究者によるお薦め本の討論。それぞれ思い入れが強く、全く途切れない=神戸市中央区
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理工書担当の書店員と研究者によるお薦め本の討論。それぞれ思い入れが強く、全く途切れない=神戸市中央区

 「バッタ博士」を名乗るも、実はバッタアレルギー。触るとじんましんが出て、かゆいかゆい! 「バッタを倒しにアフリカへ」(光文社・994円)の著者、前野ウルド浩太郎さん(38)による神戸でのトークイベントは、のっけから爆笑の連続だった。白がまぶしい民族衣装。手には捕虫網。それもこれも、腰を据えて研究するための戦略、というのだが-。(新開真理)

 イベントは地元の出版社・苦楽堂が8日、三宮で開催。老若男女約100人が詰めかけた。

 前野さんは、大量発生すると農作物に甚大な被害を与える「サバクトビバッタ」の防除技術を西アフリカ・モーリタニアで研究。現在は国際農林水産業研究センター(茨城県つくば市)に属し、1年の半分を同国で過ごす。

 人生の勝負を賭け、モーリタニアに渡ったのは2011年。しかし砂漠でプチ遭難するわ、現地の子どもからバッタ買い取りを図るも修羅場と化すわ、不運が続く。何より建国以来の大干ばつでバッタは現れず、ついには無収入に陥るが…。

 奮闘の日々を記した同書は「科学冒険就職ノンフィクション」という若干詰め込み気味のジャンルを開拓。今年の新書大賞に輝き、17万部超のベストセラーとなっている。

 トークは当然ながらバッタづくし。うごめく動画に会場がどよめく。無収入の折の心の持ちようを問われると、「食べ物やムヒの差し入れが相次いだ」と感謝。虫好き以外も楽しめるよう終始、心を砕く。

 第2部では理工書担当の書店員と関西の若手研究者も登場。お薦めの本や研究の魅力を熱く語り合った。

 「じゃんけんで負けて理工書担当になった」というジュンク堂書店三宮駅前店の豊島寛子(のりこ)さんは、「ゼロからトースターを作ってみた結果」(トーマス・トウェイツ著)などを推薦。約200本ものピンセットを所有する伊丹市昆虫館学芸員の長島聖大(せいだい)さんは「昆虫(新版) 小学館の図鑑NEO」(小池啓一ら著)を推し「(同館に)寄せられる相談の8割は、これで対応できる」と断言した。ちなみに前野さんは「八甲田山死の彷徨(ほうこう)(改版)」(新田次郎著)などを勧めた。雪山と砂漠。極限つながり、ということらしい。

 ところで前野さんは神戸大大学院で博士号を取得した。青春の思い出を勝手に期待したが、関東から通っていたこともあり…。でも「結婚したら、一緒に神戸の街を楽しみたい。いいことは先に取っています」と懸命にフォローしてくれた。その日を待ちたい。

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