総合 総合 sougou

  • 印刷
基金について説明する有園教授の姉、阿部順子さん(中央)=兵庫県庁
拡大
基金について説明する有園教授の姉、阿部順子さん(中央)=兵庫県庁
有園博子さん(ひょうごコミュニティ財団提供)
拡大
有園博子さん(ひょうごコミュニティ財団提供)

 尼崎JR脱線事故で遺族の心のケアなどに当たっていた兵庫教育大学の有園博子教授が昨年12月、肝腫瘍のため、57歳で亡くなった。DVや性暴力被害者、虐待された子どもなど、常に弱い立場の人たちの支援を続けてきた有園教授は死の直前、「老後のためにためてきたお金を、被害者支援に使いたい」と切望。教授から遺産の寄付を受けた公益財団法人「ひょうごコミュニティ財団」(神戸市中央区)は24日、事件事故などの被害者支援に充てる基金を創設すると発表した。

 基金は「有園博子基金」と命名された。有園教授は2004年に県こころのケアセンターの主任研究員となり、07年に兵庫教育大学の教授に就任。性暴力被害者の支援や、自治体の男女共同参画アドバイザーなどを多数務める傍ら、脱線事故では事故直後から臨床心理士として、遺族のケアに携わった。

 毎年、事故現場で営まれる追悼行事にも、学生らを引き連れボランティアで参加していたという。同じ支援活動を続ける津久井進弁護士は「深く傷ついている人をみると、自然にすっと寄り添うことができた人。どんな困難な状況にも決して目を背けたことがなかった」と振り返る。

 生前、「私の仕事は隙間産業のようなもの。光の当たらない人の支援を続けてきた」と語っていたという有園教授。16年10月にがんと診断され、余命2カ月の宣告を受けてからも教壇や講演活動に立ち続け、弱者の視点の重要性を訴えた。

 法人によると、基金は有村教授が残した約9千万円を基に、さらに募金を募ってDV・性暴力被害者▽虐待された子ども▽尼崎JR脱線事故の遺族-などの支援に取り組む団体や研究者に活用してもらう予定。

 姉の阿部順子さん=京都府=は「社会の隙間や矛盾を少しでも埋めたいというのが妹の願い。受け継いでもらえる人に使ってほしい」と話した。(前川茂之)

総合の最新
もっと見る

天気(12月12日)

  • 13℃
  • 8℃
  • 50%

  • 10℃
  • 5℃
  • 60%

  • 13℃
  • 7℃
  • 90%

  • 12℃
  • 8℃
  • 70%

お知らせ