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堤防に穴が開いた風呂ケ谷下池=2017年4月、三田市藍本
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堤防に穴が開いた風呂ケ谷下池=2017年4月、三田市藍本
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池から道路にあふれた濁流(読者提供)
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池から道路にあふれた濁流(読者提供)

 農業用ため池の適正な維持に向けて、兵庫県などが2018年度、個別の管理状況などを確認する初の一斉調査に乗り出す。県内には、47都道府県で最多の3万7696カ所(昨年4月時点)が点在するが、農家の減少傾向に伴い、放置されるため池が増加。昨年4月には、三田市で決壊による浸水被害が発生し、早急な対策が必要と判断した。

 兵庫県などによると、県内のため池数は全国の約2割を占め、2番目に多い広島県の2倍近くに上る。淡路島だけで2万2792カ所あり、三木、神戸、三田、加東市もそれぞれ千カ所超。降水量が少ない瀬戸内の気候が背景にあり、水不足が深刻だった江戸期に多くが造成されたと伝わる。

 一斉調査の対象は、用水によるかんがい面積が0・5ヘクタール未満で、総数の8割近くを占める「特定外ため池」2万9550カ所。管理者の届け出義務がある0・5ヘクタール以上の「特定ため池」に対し、数が膨大で、兵庫県や市町が状態を把握しきれていないという。

 昨年4月末には、三田市の特定外ため池「風呂ヶ谷下池」の堤防に突然穴が開き、近くの電子部品製造会社や民家が浸水。これまでも、県内で206カ所が決壊した2004年の台風23号など豪雨に伴うため池の被害はあったが、風呂ヶ谷下池では外的な要因が確認されなかった。

 その後の調査で、30年以上前から使われていなかったことが分かり、県は管理の不備が原因と判断。農業離れなどで放置され、決壊の危険性が高まっている池が他の地域にもあるとみて、県内市町でつくる「ため池保全協議会」とともに網羅的に調べることにした。

 今年4月から、統一書式のシートを各市町に配り、管理者の有無や利用状況、決壊した場合の被害想定などを調べる。結果は年内にも取りまとめ、台帳として整備。優先順位を付けて老朽化対策などに取り組んでいく方針だ。

 ため池は近年、水を抜いて生物調査をするテレビ番組が人気を呼び、県内でもトライアスロンやレンコン掘りのイベントが催されるなど、生態系や地域おこしの観点からも注目が高まっている。県農村環境室の担当者は「ため池の多面的な機能が広まっているが、安全が第一。詳細なデータを把握することで、管理体制の強化につなげたい」と話す。

(小川 晶)

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