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 認知症などで判断力が衰えた高齢者らの財産を守る成年後見制度で、神戸市長田区のNPO法人の支援を受けていた男性の自宅所有権が、男性の死後に同法人へと移されていたことが12日、神戸新聞社の取材で分かった。生前に作成された公正証書に基づき遺贈されたとみられ、法人側は「正当な手続き」と主張している。一方、会員が成年後見人などを務める日本社会福祉士会は正規の報酬以外の物品や金銭を被後見人らから受け取ることを倫理綱領で禁じており、「法人であっても同様の制限がかかる」とする声もある。(井沢泰斗)

 男性の元支援員らによると、男性の判断能力が衰えたため、ケアマネジャーを通じて相談を受けた同法人が2014年夏ごろ、神戸家裁から後見制度の補助人に選任された。男性は神戸市北区にある木造2階建ての自宅で1人暮らしをしていたが、17年2月に67歳で病死。登記簿によると、17年8月9日に男性宅の土地と建物の所有権が同法人に移されていた。

 元支援員らによると、同法人の理事長が16年11月、男性の入院先を訪れ、公証人らとともに法的効力のある「公正証書遺言」を作成。直後に男性が「(遺産は)埼玉のいとこに相続させたい」と元支援員に伝えたため遺言書を作成したが、自筆部分に不備があり、相続は認められなかった。

 法人の対応が不適切とする元支援員の申し立てを受け、兵庫県社会福祉士会が同会に所属する法人理事長から聞き取りなどを進めている。

 理事長は神戸新聞の取材に「個人情報に該当するので答えない。家庭裁判所の監督下で制度にのっとった支援をしている」と説明。同法人を選任した神戸家裁は「遺言の対象が元補助人であっても、後見制度に関係なく財産は遺贈される」としている。

 一方、元支援員は「法人への遺贈が許されるなら、団体への寄付という形で抜け道をつくってしまう」と指摘。神戸シルバー法律研究会代表幹事の村上英樹弁護士も「法的に遺産が受け取れても利益相反になる可能性が高い。一般的な感覚としては断るべきだ」としている。

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