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 災害の被災者に支給される「被災者生活再建支援金」を巡り、47都道府県が財源を拠出してつくった基金が2019年度末にも枯渇する恐れがあることが14日、全国知事会への取材で分かった。毎年相次ぐ地震や豪雨水害の影響で元本を取り崩す状況が続き、熊本地震クラスの災害が発生すれば原資が底を突くという。創設から20年を迎えた制度を維持するため、知事会は追加金を拠出する方向で検討している。

 支援金は、阪神・淡路大震災後の1998年に成立した被災者生活再建支援法に基づき、最大300万円を支給する。自然災害で一定規模の被害があった被災地に適用され、費用は基金と国が折半。申請が認められた被災者は、基金を管理運営する公益財団法人「都道府県センター」(東京)から支給を受けられる。

 知事会によると、制度創設時に47都道府県が基金に300億円、04年度にさらに300億円を拠出。拠出額の大半は国からの地方交付税が充てられるため、都道府県の実質的な負担は少ない。東日本大震災後に880億円が追加拠出され、11年度末の基金残高は1005億円に上った。

 運用益を支給に充てるのが原則だったが、15年の関東・東北豪雨(17年度末で支給総額30億円)や16年の熊本地震(同510億円)など、大規模災害が毎年相次いで元本は減り続け、17年度末の残高見込みは473億円まで減少。19年度末には205億円になる見込みで、熊本地震に相当する規模の災害が起これば「支給が困難になる」という。

 知事会は、10年に残高が300億円を下回った場合は47都道府県で新たに300億円を拠出する基本方針を決定している。この方針を基に、都道府県の財政状況などを考慮してまとめる追加の拠出額や負担割合の案を、7月に北海道である全国知事会議で議論する。知事会事務局の担当者は「どの自治体も被災のリスクを抱えている。制度を継続するため各知事の同意を得たい」と話している。(金 旻革)

【国の負担法に明記を 神戸大学社会システムイノベーションセンター・豊田利久特命教授(災害経済学)の話】超巨大災害を見据え、被災者生活再建支援法は改正すべきだ。国の負担を明確にすれば被災者が安心して支援金を受け取れる。東日本大震災の復興予算では支援金の割合は1%程度とわずか。復興予算の配分方法についても改めて考え直す時期に来ている。被災者の生活再建に直結する支援金の増額や対象の拡大を図り、助け合う仕組みの充実が必要だ。

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