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 東海から九州地方までの広域が激しい揺れと大津波に見舞われると予測される南海トラフ巨大地震で、被災者に支給する「被災者生活再建支援金」が、最悪のケースで約8兆4千億円に上ることが内閣府の試算で分かった。国家予算の1割に匹敵する額となる。財源の一部を拠出する全国知事会は対応が困難になるとし、国が責任を負う特別立法などの必要性を訴える。阪神・淡路大震災を機に生まれた被災者生活再建支援法は15日で成立20年。「明日にも来る」とされる巨大災害を想定し、制度の存続に向けた早急な議論が求められる。

 国が2012年に発表した南海トラフ地震の被害想定では、最悪クラスのマグニチュード(M)9・1で関東以西の30都府県で死者が32万3千人、全壊・焼失棟数は238万6千棟とされる。兵庫県は県内の死者数を2万9千人、建物の全半壊は21万4千棟と想定。政府の地震調査委員会は南海トラフ沿いでM8~9級の発生確率を「30年以内に70~80%」と評価する。

 支給する支援金の試算は、自然災害の損害を補償する保険・共済の普及促進に関する内閣府有識者会議の中で16年12月に示された。

 試算額は東日本大震災の全壊世帯数(試算当時は10万5672世帯)をベースにしている。南海トラフでの最悪想定の全壊・焼失棟数(約238万棟)は、この約22倍に相当する。東日本での支給は現在も続いており、17年度末で計約3483億円。内閣府は最終的な支給額が約3800億円に上るとみて、南海トラフでは支給額を8兆3600億円と算出した。

 支援金は、47都道府県が拠出する基金と国が半額ずつ支給する仕組み。東日本では被害が甚大だったとし、国が5分の4を負担する特別措置を行った。

 知事会によると、17年度末の基金残高見込みは473億円。南海トラフや首都直下型地震などの超巨大災害では「基金でまかなうことは極めて困難。国が主体となって対応すべき」との要望を続けている。

 内閣府の担当者は「実際の被害規模が分からなければ対応策は決めにくい。現時点では個人に保険・共済の加入を促して災害への備えを普及させるのが優先で、支援法改正の具体的な議論には至っていない」とする。(金 旻革)

【被災者生活再建支援法】阪神・淡路大震災で被災者への公的支援を求める市民運動が展開されたことを受け、1998年5月15日に議員立法で成立。「私有財産の形成に公的支援はできない」とする従来の国の主張を覆し、個人補償へ道を開いた。当初は上限100万円で、使途も生活必需品に限っていたが、2度の大改正を経て、住宅の全壊や大規模半壊などの世帯を対象に最大300万円を支給。年齢・年収要件や使途制限も撤廃された。

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