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阪急芦屋川駅に作られたツバメの巣。イラスト付きの張り紙で保護を訴える=芦屋市西山町
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阪急芦屋川駅に作られたツバメの巣。イラスト付きの張り紙で保護を訴える=芦屋市西山町

 間もなく6月。兵庫県内の鉄道の駅構内では、ツバメが巣を構えヒナを育てる様子が見られるようになった。初夏の風物詩として通勤客らを和ませているが、阪急電車を巡ってインターネットで「巣が撤去されている」との臆測が拡散し、撤去反対を訴える署名活動が行われている。困惑する阪急電鉄は「各駅での見守りは継続している」と強調し、例年通りふん受けの箱や保護を呼び掛ける張り紙を作製した。ツバメと鉄道に舞い込んだ騒動とは-。(久保田麻依子)

 「ピーッピピーッ」。5月24日、阪急逆瀬川駅(宝塚市)の改札付近では、にぎやかなヒナの合唱が響いていた。巣の中では4羽ほどが口を開けて待ち構え、周辺で親鳥がせわしなく羽ばたいていた。

 同駅では4月中旬ごろに巣作りが始まり、駅員がふん受けの箱を手作りして設置。芦屋川駅(芦屋市)の構内には「あたたかい気持ちで見守ってください」とのイラスト付きメッセージが張り出された。同社はツバメが巣作りする駅の数を把握していないが、周辺に自然が残る駅に飛来することが多いという。

 映画化された有川浩さんの小説「阪急電車」は小林駅(宝塚市)での巣作りに触れ「渡ってくるツバメにとって、この町は安心して巣をかけ、子育てのできる町なのだ」と記している。

 保護は各駅が自主的に取り組んでいる。駅利用者の多くも好意的に受け止め、「ヒナが落ちているから助けて」と窓口に駆け込む人も。JRや阪神など他の鉄道も、おおむね保護を前提に対応している。

 ところが、ネット上では5月22日ごろから「阪急の駅に子育てに来るツバメの巣や巣作り中の泥付けを撤去しないで」などと訴える署名活動が始まった。署名サイトは「全90駅で2018年から、巣などを撤去しツバメを追い出そうとしている」と断じ、開始から約1週間で2500人超が活動に賛同した。

 しかし、同社は「巣や泥付けの撤去はしておりません」と否定。人通りの多い階段の真上などで巣作りが始まったときは、例外的に撤去する場合があり、「その場面をたまたま目撃したのでは」と推測する。人が多い場所にある巣も、すでに産卵が終わっていれば撤去しないという。

 署名が始まってからは同社への問い合わせが相次ぎ、社員が誤解を解くべく説明に追われている。

 「ふんが落ちて迷惑をかけてはいけないので、撤去するケースがあることもご理解いただきたい」と担当者。“幸運を呼ぶ”鳥たちの巣立ちを、駅員も心待ちにしている。

    ◇  

 同社の公式ツイッターでは27日から、「沿線外の方などに、少しご心配をお掛けしたツバメの巣(中略)、今の様子をお伝えするのが一番かと思いました」とメッセージを寄せ、逆瀬川駅での巣の保護の取り組みや、親鳥がヒナに餌を与えたりする様子を動画付きで投稿している。

■ツバメの巣、なぜ駅に多い?

 ツバメは4月ごろ、台湾やフィリピンなどから日本へ飛来する。1羽で5~6個の卵を産み、7月ごろに巣立つ。巣は民家に加え、鉄道の駅でもよく見られるが、その理由について神戸市立森林植物園の技術職員井上浩彰さん(31)は「駅の構内は天井が高く雨をしのぐことができるため、巣作りには最適」と指摘する。カラスなどの外敵からも身を守りやすく「親鳥も安心して子育てできるのでは」とツバメの心情を推し量る。

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