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試作ロボを使い、英国にいるクリストファーズさんと会話するスタッフ(右)。ロボが確認したスタッフの映像が奥の大画面で表示される=大阪市北区、ナレッジキャピタル
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試作ロボを使い、英国にいるクリストファーズさんと会話するスタッフ(右)。ロボが確認したスタッフの映像が奥の大画面で表示される=大阪市北区、ナレッジキャピタル

 神戸のベンチャー企業が開発に取り組むテレビ電話に人工知能(AI)を搭載したロボットの試作機が完成し、近く介護施設などで実証実験が始まる。施設内を自由自在に動き回り、徘徊(はいかい)する人を検知すると、メールなどでスタッフに知らせる。介護施設の夜間巡回などへの活用が期待され、開発者らは「神戸発の介護ロボとして普及させたい」と意気込む。(石沢菜々子)

 遠隔通話機器などを手掛けるアイプレゼンス(神戸市東灘区)。代表のクリス・クリストファーズさん(37)が、米国製の遠隔通話機器にビジネスチャンスを感じ、4年前に出身地の神戸で起業した。AIなど高機能な付加価値のある製品を開発、販売している。

 開発中のロボは「CARE-JIRO(ケアジーロ)」で、テレビ電話を自動で動かし、人を感知した場合に、離れた場所にいるスタッフのパソコン画面などに通知する仕組み。「夜間に施設内を見回るスタッフの負担を軽減したい」という名古屋市の介護施設からの依頼を受け、入居者の徘徊などにいち早く気づき、対応できるようにした。

 スタッフは、パソコン上で常時ロボの動きを確認。遠隔操作をしたり、テレビ電話で会話をしたりでき、「自分の分身のように使える」(クリストファーズさん)のが特徴。「動き回る防犯カメラ」のような機能で、施設内をくまなく見回す利点もある。

 同社は画像解析の技術を得意とする神戸のベンチャー企業などと連携し、開発費用は神戸市が始めた補助制度を活用。市の紹介で、神戸の介護施設関係者らの意見も参考にした。同社の取り組みに関心を持った大阪市の産学交流拠点「ナレッジキャピタル」が開発拠点を提供。構想から1年、設計からわずか3カ月で試作機が完成した。

 品質の安定化や量産体制などの課題はあるが、2019年中ごろまでの商品化を目指す。クリストファーズさんは「開発スピードの早さはベンチャーならではの強み。介護現場での新しいコミュニケーションをサポートしたい」と話す。

■現場と連携、ニーズ集約

 介護施設の職員の負担軽減や、慢性的な人手不足の解消策の一つとして期待される介護ロボット。企業などによる開発が進むが、介護現場のニーズはさまざまだ。国や自治体は開発費用の補助だけでなく、現場の声を吸い上げながらの実用化支援にも知恵を絞る。

 神戸市は、開発費用の半分、最大300万円を上限に補助する。兵庫県立福祉のまちづくり研究所(神戸市西区)に専用の相談窓口を設置し、協力する専門家やリハビリ病院、介護施設などの意見を開発に役立ててもらう。同市医療・新産業本部は「『神戸なら介護現場と連携して開発できる』というメリットで企業を呼び込みたい」とする。

 同様に開発支援に取り組む経済産業省は、4月に「介護ロボット開発・普及推進室」を設置した厚生労働省と連携し、現場のニーズを集約。これまでは主に介護施設の職員の負担軽減を目的にした開発支援だったが、2018年度からは高齢者本人の自立支援につながる介護ロボの開発を重点的に促す。

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