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ディフェンスの選手をドリブルでかわす宮田夏実さん=西宮市甲山町
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ディフェンスの選手をドリブルでかわす宮田夏実さん=西宮市甲山町

 韓国でこのほど開催された聴覚障害者のサッカー「デフサッカー」の世界選手権アジア予選で、日本代表の一員として参加した関西学院大3年の宮田夏実さん(20)=兵庫県伊丹市=が得点王に輝いた。全2試合に出場し、計6ゴールの活躍。チームを2020年の世界選手権出場に導き、「聞こえない状況がつらくてサッカーを辞めようと思ったこともある。支えてくれた人たちに恩返しをしたい」とさらなる飛躍を誓う。(篠原拓真)

 西宮市の関学大グラウンド。サッカー部の女子選手が人工芝のピッチで練習する。「前に出して」。ボールを持つ選手に周囲から指示が飛び、宮田さんは両手を広げてパスを求める。

 生まれつき耳が聞こえない宮田さんは、同じ障害がある兄の影響でデフサッカーを始めた。競技人口が少ないため、中学では学校のサッカー部で男子に交じって練習した。ボールさばきや運動量などは健常者に引けを取らず、高校では女子サッカー部のレギュラーとして活躍。デフサッカーでも中学1年から日本代表に選ばれ、世界を相手に戦ってきた。

 プレーヤーとして着実に力をつけてきた宮田さんだが、中学時代は聞こえないことをほかの選手にからかわれることもあった。高校時代はチームメートの会話について行けず、存在感が消されていると感じることもあった。「何で自分だけ聞こえないのか」。高校2年生の時にサッカーを辞めようとした。

 そんな時、真剣に向き合ってくれたのが部の仲間だった。「(耳が聞こえないことを)個人の問題ではなく、チームの問題として乗り越えよう」。コミュニケーションの取り方に気を配ってくれるようになり、宮田さんは再びボールを追う意欲が湧いたという。

 「人の2倍も3倍も周囲を見て状況判断するけど、それでも理解しきれないもどかしさはいつもある」。普段は健常者と練習している宮田さんはそんな思いも打ち明けるが、「デフサッカーを通じて、聴覚障害者と健常者の懸け橋になりたい」と願っている。

 アジア予選で日本代表はネパールを15-0、韓国を11-0で圧倒したが、米国など世界の強豪との差は大きい。2年後を見据え、宮田さんは「フィジカル面を中心にもっともっとレベルアップしたい」と力強く締めくくった。

【デフサッカー】デフは英語で耳が聞こえない人、聞こえにくい人という意味。聴覚障害者のためのサッカーで、競技中は補聴器を外すことが義務付けられている。基本ルールは通常のサッカーと同じだが、主審は笛のほかにフラッグも使用。国際試合では両ゴールの裏にフラッグを持った審判員が1人ずつおり、線審を含む審判員計5人でプレーの停止などを伝える。

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