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自作の前に立つ画家納健さん=神戸市中央区、ダイヤモンドギャラリー
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自作の前に立つ画家納健さん=神戸市中央区、ダイヤモンドギャラリー

 本紙「神戸新聞文芸欄」のイラストを長年担当する画家納健(おさめけん)さん(80)=兵庫県西宮市。物憂げな道化師など人物画でも知られるが、風景画に洗練されたセンスが光る。青年時代にヒッチハイクで放浪した日々の記憶や近年のスケッチ旅行を基に、欧州各地の風景画を制作し、6月初めに神戸市内の画廊で開いた個展で、新作のアクリル画など約30点を並べた。

 1937年神戸市生まれ。10代後半に神戸新聞の「読者のページ」へカットを投稿し、若き日の画家横尾忠則さんら、入選常連者でグループ「きりん会」を結成し、作品展を開いたこともある。

 30代には数年間、イタリアやスペイン、スウェーデンなど欧州を放浪。「絵を売ったりしながら、貧乏旅行を続けた」と懐かしむ。その後も訪れ、「ヨーロッパの街角は絵になる」とたびたび題材に。「昔は現地で制作もしたが、写生風になりがち。スケッチや写真も参考に、記憶の中のイメージで描く」と説明する。

 だから色使いも自由。フランス・ロワール河を描いた一枚は抽象と具象のあわいにあるような風景画で、空や岸辺を映す川面にはピンクや青、白などが踊り、画面全体に穏やかな詩情が漂う。パリ・モンマルトルの旧市街の絵は大胆で素早い筆致で哀愁を帯びる。色や線のリズムに、絵からジャズやクラシックが聞こえてきそうな絵もある。

 街角の看板も好んで描くが、文字を入れるのはフランスで客死した洋画家佐伯祐三へのあこがれもあるという。

 登山に情熱を燃やしたころもあり、今回の個展でも、ヒマラヤの高峰を遠望した風景画も並ぶ。「自分の中の記憶、イメージを固定してしまわず、自由に作り変えながら描くのが楽しい」。80歳を超えてなお、筆先は軽やかで、絵は歌い、躍動している。(堀井正純)

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