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復活なるか。大きな実をつける鳴門オレンジ=洲本市由良町由良
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復活なるか。大きな実をつける鳴門オレンジ=洲本市由良町由良
鳴門オレンジを使った商品。「『鳴門』の名称のおかげで淡路土産だと分かってもらいにくい」との声は売り場からも上がる=南あわじ市福良丙、うずの丘大鳴門橋記念館
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鳴門オレンジを使った商品。「『鳴門』の名称のおかげで淡路土産だと分かってもらいにくい」との声は売り場からも上がる=南あわじ市福良丙、うずの丘大鳴門橋記念館

 生産量が激減し絶滅の危機にある「鳴門オレンジ」の復活に向けたプロジェクトが、兵庫県の淡路島内で動きだした。他にない強い酸味と香りから昭和中期には贈答品用の高級かんきつとして東京でもてはやされたが、1991年のオレンジの輸入自由化後は存在感が薄れ「幻の果実」に。淡路島原産で島内でしか栽培されていないれっきとした特産品だけに、「鳴門」の名称変更も含め、新商品の開発などでブランドの立て直しに乗り出す。(西井由比子)

 洲本農林水産振興事務所によると、鳴門オレンジを生産している農家は現在、淡路島内で12軒。平均年齢は79・4歳と超高齢化しているが、大半の農家で後継者がおらず、絶滅の危機にひんしている。

 生産量は1970年の2800トンをピークに、2015年には97%減の90トン程度まで激減。「このまま絶やしてしまうのはあまりにもったいない。復活に向けたプロジェクトは待ったなしの状況だ」と同事務所。

 同事務所の旗振りで、島内の農畜水産物の生産、加工、流通業者などでつくる「食のブランド『淡路島』推進協議会」が今月28日から11月にかけ、計5回のワークショップを開く。スイーツやドリンク類など鳴門オレンジを使った商品開発に取り組む。需要を生み出すことで、生産拡大を後押しする狙いだ。現在、飲食店など参加事業者を募集中。商品開発は旅行情報誌「じゃらん」のスタッフが支援し、新商品を冊子に掲載するなどPRに協力する。

 生産者の一人、若宮公平さん(69)=洲本市=は「今や淡路島といえばタマネギ。昔は鳴門オレンジだったのに」と寂しげだ。大正、昭和期には鳴門オレンジ1年分の収入で家が1軒建つほどだったとされるが、輸入自由化後、日本人のかんきつ類の好みは酸っぱいものから甘いものに移ってしまったという。「夏場に搾ってジュースにすれば、酸味が喉に心地よく、体力が回復する。多くの人にこの風味を知ってほしい」と話す。

 鳴門オレンジを使った加工商品には現在、マーマレードやジュース、ポン酢やジャム、ドライフルーツなどがある。同事務所は「新たなヒット商品が生まれ、鳴門オレンジが再び脚光を浴びれば」としている。

 ワークショップの参加希望者は、洲本農林水産振興事務所農政振興第2課TEL0799・26・2101

■淡路島特産だが「鳴門」… 命名の由来は江戸時代、徳島藩主が絶賛

 淡路島特産の果実の名称が、なぜ徳島県の「鳴門」なのか。

 答えは、1889(明治22)年刊行の「鳴門蜜柑(みかん)栽培要略 全」に示されている。淡路島がかつて徳島藩領だったことに由来する。江戸中期、阿波(現徳島県)と淡路の2国を治めていた大名・蜂須賀家の藩士がこの実を見つけて食べたところ、とてもおいしかったため、洲本の自邸に種を植えて栽培。100年を経て子孫が藩主に献上したところ、藩主は「天下無比の物なり」と絶賛し、領内にある名勝「鳴門海峡」から「鳴門」と命名したという。

 約200年の歴史ある名称だが「この際、変更もありではないか」と洲本農林水産振興事務所。「紛れもない淡路島の特産品だが、この名称のせいで『淡路島土産』としてピンとこない。歴史ある名を守ることにも価値はあるが、もし変更を考えるなら、ブランディングをし直す今のタイミングがちょうど良い。関係者は議論を尽くしてほしい」としている。

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