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大勢の若者らが詰めかけたラッドウィンプスのライブ会場周辺=27日、神戸市中央区港島中町6
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大勢の若者らが詰めかけたラッドウィンプスのライブ会場周辺=27日、神戸市中央区港島中町6

 大ヒット映画「君の名は。」の主題歌などで知られ、若者を中心に人気のロックバンド「RADWIMPS(ラッドウィンプス)」の新曲「HINOMARU(ヒノマル)」がインターネット上で波紋を広げている。歌詞が「軍歌っぽい」「美しい」と賛否を呼び、メンバーが釈明する事態に。神戸で26日、曲への抗議活動をした男が道交法違反容疑で逮捕されたこともあり、論争は熱を帯びている。(那谷享平、末吉佳希、竹本拓也)

 同曲を収録したCDの販売やダウンロード配信は今月6日に開始。「気高きこの御国の御霊」「日出づる国の御名の下に」などの歌詞が、「愛国心をテーマに歌ったことがうかがえる」などとネット上などで議論を呼んだ。作詞を手掛けた野田洋次郎さんは批判を受け、コメントを公開。軍歌を作ろうとした意図はないとした上で「(大震災や大津波など)どんなことがあろうと立ち上がって進み続ける日本人の歌です」とつづり、理解を求めた。

 しかし、26日に神戸市内であったライブ会場付近では、「歌詞が戦時中を想起させる」などとして数人が抗議活動。職業不詳の男(47)が駐停車禁止の交差点に車を止めたとして、道交法違反の疑いで神戸水上署に逮捕された。この騒動でツイッターなどの会員制交流サイト(SNS)の論争が再燃。歌詞の解釈や表現の自由を巡る投稿以外に、抗議グループを「左翼活動家」などとする見方が出るなど、“場外戦”に発展している。

 一方、主なファン層である若者らは冷ややかだ。「なぜこんなに騒がれるのか」。逮捕騒動の翌27日、神戸公演2日目の会場では戸惑いの声も漏れた。

 大学2年の学生(20)=神戸市垂水区=は「曲は受け取る側が好きに解釈すれば良いのでは」と距離を置く。会社員の男性(22)=大阪府=も「軍国主義的なことには興味がなく、ネットで騒がれているような意味には捉えなかった」と話した。

 輪島裕介・大阪大大学院准教授(音楽学)は「『共同体を愛そう』と伝えたい時に、人々を戦争に駆り立てた70年前の『愛国』イメージが必要だったのか。ロックは反体制であるべきとの見方への反発があるのかもしれないが、語彙が伴っていない。ただ、批判する側も肯定する側も議論を単純化しすぎで、本質的ではない」とみる。

【立命館大学産業社会学部の福間良明教授(メディア史)の話】 「1970、80年代のロックといえば反社会体制というのが一般的で、ナショナリスティックな曲は考えにくかった。だが、戦後の日本のメディアや教育現場では左派が主流だったことを考えれば、「ヒノマル」のような曲にも、支配的な価値観への反発というかつてのロックと共通する部分がありそうだ。こうした歌が流行する背景には、ストレートな愛国心だけでなく、左派的な考えへの嫌悪感もあるだろう。労働組合の弱体化などで左派が社会への影響力を失ったことも大きい」

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