西日本豪雨の影響で、兵庫県内では民家の床上・床下浸水が600棟以上に増加。土砂崩れの新たな確認も相次いだ。県は、被害調査が進めば被害がさらに増える可能性があるとみている。
同豪雨による県内の死者は、宍粟市一宮町で起きた土砂崩れに巻き込まれた土木業の男性(63)と、猪名川町の工事現場で水路に流された男性(59)=和歌山市=の2人。水路に男性とともに流された男性作業員2人は骨折などの重傷。軽傷者は各地で8人に上った。
県などによると、9日午後4時時点で土砂崩れは計287カ所で確認された。神戸市灘区篠原台では民家や道路に土砂が流れ込み、現在も撤去作業が進められている。家屋の床上浸水は丹波と豊岡市を中心に107棟、床下浸水は531棟に拡大。家屋の全壊は宍粟市で5棟、半壊は宍粟と神戸、三木市の4棟、一部損壊は17棟だった。
避難指示は、土砂災害の恐れがあるとして神戸市の450世帯911人に発令中。避難勧告は淡路市など3市45世帯84人に出されている。避難所は9日夕で4市で43人が避難している。
鉄道は一部区間で運転を見合わせていたJR福知山線や神戸電鉄粟生線が9日に再開。JR山陰線と播但線などの一部で運休が続いており、復旧は早くて11日以降の見込みという。高速道路は、阪神高速北神戸線の藍那東行き出口など一部の出入り口が利用できないが、路線の通行止め区間は全て解消された。(金 旻革)
