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原稿を用意し、JR西社員向けの講演に臨んだ原口佳代さん=10日午後、大阪市北区
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原稿を用意し、JR西社員向けの講演に臨んだ原口佳代さん=10日午後、大阪市北区

 2005年の尼崎JR脱線事故で夫を亡くした音楽講師、原口佳代さん(58)=兵庫県宝塚市=が10日、大阪市北区でJR西日本社員を前に初めて講演し、事故の悲惨さや鉄道会社で働く責任について語った。昨年12月の新幹線のぞみ34号の台車亀裂問題で、JR西は異常を感知しながら運転を継続。このことに脱線事故の風化を強く感じた原口さんが、自ら提案して講演が決まった。「命を預かる仕事に就いていることを、もっと強く認識してほしい」。そう語り掛けた。

 2005年4月25日、JR宝塚線塚口-尼崎間で、快速電車が制限速度を大幅に超えてカーブに進入し、脱線。1両目に乗っていた原口さんの夫・浩志さん=当時(45)=を含め、乗客106人と運転士が亡くなった。

 最愛の人を突然失った苦しみを抱えながら、月命日には現場を訪れるなど、事故と向き合ってきた原口さん。だが、「安全最優先」を掲げるJR西への信頼は、昨年12月の台車亀裂問題で崩れ落ちた。乗務員らが異音や振動に気付きながらも約3時間運行を継続。あわや大惨事の出来事に、原口さんは危機感を覚えた。

 「なぜ誰も『止めよう』と言えなかったのか。脱線事故が風化している」

 今年2月、JR西の来島達夫社長に思いを伝えた。その場で社員向けに話す機会を求め、今回の講演が決まったという。

 講演は報道陣に非公開とされたが、原口さんによると、社員約200人が参加し、1時間程度行われた。原口さんは「JR西で働く人には命を守るという使命がある。アクシデントが起きた時には、自分を信じて行動してほしい。そして事故の風化を防いでほしい」と、映像や音楽をまじえて訴えた。涙を流して聞き入る社員もいたという。

 講演後、原口さんは「事故から13年以上がたったいいタイミングで話すことができた。事故の悲しみは伝わったと思う。きょうの話を役立ててほしい」と語った。(上田勇紀)

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