総合 総合 sougou

  • 印刷
自力で歩けない患者らを搬送するエレベーター。地震で一時停止し、手術開始が遅れた=兵庫医科大病院
拡大
自力で歩けない患者らを搬送するエレベーター。地震で一時停止し、手術開始が遅れた=兵庫医科大病院

 大阪府北部地震では、各地の医療機関で設備が損傷するなどし、診療活動にも影響が出た。大阪を中心にエレベーターの一時停止が相次ぎ、兵庫県内の病院でも手術開始が予定よりも遅れたケースもあった。命を脅かす事態には至らなかったが、患者や物資の動線をどう確保するのか課題が浮かんだ。今回のような都市型災害は多数の傷病者が押し寄せることが懸念されており、対策を検討し直す動きも出ている。(佐藤健介)

 地震発生直後の6月18日午前8時ごろ、兵庫医科大病院(西宮市)でエレベーター23基が停止。揺れを感知する機器が作動して最寄りの階でドアが開き、閉じ込めはなかった。

 手術室が入る手術センターは免震構造のため、エレベーターは全て運転していたが、手術室へ患者を運ぶ一般病棟ではストップ。医療機器などの安全点検を行う必要もあり、手術を遅らせた。自力で歩いて手術室に来られる患者から始め、歩けない患者は搬送用エレベーターを優先的に復旧させた後で執刀。計11件が最大約2時間遅れたが、いずれも命に別条はなく、緊急手術も入らなかった。

 搬送用エレベーターについて、同病院は「メンテナンス担当者がほぼ常駐する契約をメーカーと結んでおり、それが役に立った」とする。発生時も当番の担当者が近くまで来ており、間もなく到着してスムーズに復旧できたという。

 その半面、同様の契約を結んでない別メーカーの院内エレベーターは担当者との連絡に手間取り、動きだすまでに最大約8時間を要した。

 同病院はエレベーターが使えなくなった時に備え、担架に患者を乗せて階段を上り下りする訓練を実施している。それでも、手術センターの川越英子看護師長(50)は「停止時の細かい取り決めはない。ケースごとのマニュアルが必要なのでは」と指摘する。

 神戸市立医療センター中央市民病院(同市中央区)は患者用エレベーターの停止に至らず、業務に支障が生じることはなかった。

 だが、地震などによる停止後は非常用発電機に接続され、メーカーに常時連絡できる体制を敷く一方で、災害時に優先復旧してもらう事前の取り決めはないという。同病院は「傷病者や資器材を運ぶ代わりの手段は階段になる。その際には上り用と下り用を決め、一方通行として動線が滞留しないようにして対応する」と説明している。

■停止時の対策、事業継続計画の柱に

 エレベーターが使えなくなった時の対策は、災害発生時の中長期的な診療マニュアル「事業継続計画(BCP)」の柱の一つだ。

 従来BCPは努力目標だったが、施設損壊によって病院機能がまひした熊本地震なども受け、災害拠点病院の指定要件となり、2018年度中の策定が義務付けられた。

 兵庫県によると、県内の18災害拠点病院のうち、BCP策定済みは5月1日時点で4病院にとどまる。兵庫医科大病院と神戸市立医療センター中央市民病院など大半で策定を進めている。

 厚生労働省は、BCPを策定する際の手引きを公表。一時停止したエレベーター対策については、自家発電につながっている▽管理会社への連絡手段が24時間365日確立している▽復旧の優先順位がついている▽優先復旧が可能な体制がある▽停止時の搬送方法が検討されている-などのチェック項目を挙げている。(佐藤健介)

総合の最新
もっと見る

天気(11月21日)

  • 15℃
  • 8℃
  • 10%

  • 14℃
  • 7℃
  • 30%

  • 16℃
  • 7℃
  • 0%

  • 15℃
  • 6℃
  • 10%

お知らせ