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西日本豪雨で土砂崩れが起きた六甲山系の斜面=神戸市須磨区西須磨(撮影・大山伸一郎)
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西日本豪雨で土砂崩れが起きた六甲山系の斜面=神戸市須磨区西須磨(撮影・大山伸一郎)
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 西日本豪雨では、兵庫県内で初めて大雨特別警報が発令されたが、六甲山系で起きた土砂災害は局所的で犠牲者はいなかった。多数の死者・行方不明者を出した80年前の阪神大水害や51年前の「昭和42年7月豪雨」に匹敵する総雨量を観測したが、当時と何が異なったのか。専門家や関係者は「土砂崩れを引き起こす短時間雨量の少なさが背景にある」と指摘する。

 神戸・阪神間にまたがる六甲山系では今回、神戸市だけで約100件の土砂崩れを確認。同市灘区篠原台では土石流が起きて民家などに被害が出たが、人的被害はほとんどなかった。

 国土交通省六甲砂防事務所によると、今回の総雨量は同市中央区の観測所で438ミリを記録。死者・行方不明者が695人に上った阪神大水害の461・8ミリに匹敵し、県内で98人が犠牲になった昭和42年7月豪雨の371・2ミリよりも多い雨が降ったという。

 土石流や土砂崩れを食い止める砂防ダムと治山ダムは2千基以上あるが、管轄する国や県の担当者は「ダムに大量の土砂はたまっていないようだ」と指摘。その理由について「1時間雨量が少なかったのが被害を抑えた」と口をそろえる。

 土砂災害に詳しい沖村孝・神戸大名誉教授は「1時間雨量が50ミリを超えると土砂崩れの危険性が高まる」と話す。気象庁によると、1時間に50ミリの雨は「滝のように降る」状態。雨は土中に浸透した後、徐々に排出されるが、短時間に猛烈に降る雨では排水が追いつかず地盤が緩むという。

 阪神大水害は1時間雨量の最大値が47・6ミリで、昭和42年7月豪雨は69・4ミリに達していた。西日本豪雨による土石流で甚大な被害が出た広島県東広島市でも最大54・5ミリの猛烈な雨を記録したが、神戸の観測地点では26ミリにとどまった。

 「ダムや道路の排水設備の整備、植林などに長らく取り組んだことが効果を発揮したのではないか」と沖村名誉教授。ただ、六甲山の地質は広島の被災地と同じ風化した花こう岩でもろく、山上は雨が集まって流れていく川がないため崩れやすいという。「今後、猛烈な雨で山上の土砂が崩れ落ちる可能性は排除できず、避難指示や避難勧告があればすぐに動いてほしい」と警鐘を鳴らす。(金 旻革)

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