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 西日本一帯で発生した食品公害カネミ油症事件から今年で50年になる。発覚の約1年後、1969年までに1万4320人が保健所などに健康被害を届け出ていたが、都道府県知事が認定した患者は2017年度までに累計2322人(死亡者を含む)にとどまることが、厚生労働省などへの取材で分かった。患者団体は認定基準の改善を国に求め続けており、被害の全容は今なお見えていない。

 存命で所在が確認されている認定患者は全国に1589人。福岡、長崎、広島県に7割以上が集中し、兵庫県在住の16人を含め関西2府4県には約130人が住む。多くが心身の不調に悩まされている。

 認定を受けると、原因企業のカネミ倉庫(北九州市)が医療費などを負担。また、認定患者が国実施の健康実態調査に協力すれば、国と同社から支援金など年間計24万円が支給される。17年度調査に協力した認定患者の83%は、数カ月に1回以上の頻度で病院に通院しているという。

 一方、血液検査や身体症状を調べる「油症検診」による認定のハードルは依然として高い。12年に基準が一部緩和され、12~17年度で320人が新基準で認められた。しかし、17年度の不認定者は121人。認定されていない被害者は医療費の補償などもなく、長引く心身の不調に加えて金銭的な負担も重い。

 油症被害者関西連絡会などの患者団体は「患者の認定基準は被害の実態とかけ離れている」と批判。「発症から長い年月がたち、認定を諦めた人も少なくない」と指摘し、国に認定基準をさらに改善するよう求めている。(小尾絵生)

【カネミ油症事件】1968年、カネミ倉庫(北九州市)製の食用米ぬか油に有害物質ポリ塩化ビフェニール(PCB)が混入して起きた食品公害。油の脱臭工程で、加熱したPCBを循環させていたパイプに穴が開き、油に漏出。加熱でPCBは強毒性のダイオキシン類に変化し、油を食べた人たちに皮膚症状や臓器疾患などの健康被害をもたらした。肌の黒い赤ちゃんが産まれ、社会に大きなショックを与えた。原因物質のPCBは高砂市の鐘淵化学工業(現カネカ)高砂工業所で製造された。

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