ゾウが日傘とシャワーで熱中症対策 「人間も気を付けて」

2018/07/21 11:37

巨大な日傘の下でシャワーを浴びるゾウ=神戸市灘区王子町3、市立王子動物園(撮影・中西大二)

 連日の酷暑は、人間とともに生きる動物にとっても深刻だ。神戸市立王子動物園(神戸市灘区)では、ゾウ用のシャワーが活躍。来園者にもミストシャワーを設けるなど、人間と動物に分け隔てなく対策に乗り出す。酪農の現場では、暑さで牛の乳量が減り、乳製品の生産にも影響が及んでいる。

 王子動物園の人気スポット、アジアゾウの屋外展示スペース。35度近くまで気温が上昇した20日午後1時ごろ、ゾウは直径約6メートルの巨大な傘が作る日陰から出ようとしなかった。傘の支柱にあるボタンを押すと、傘から水が出る仕組み。ゾウは器用に鼻でボタンを操作して、水を飲んだり、水浴びしたりを繰り返し、暑さをしのいでいた。
 同動物園では、カリフォルニアアシカのプールにもネットを張るなど、暑さ対策に力を入れている。ただ、最も対策が必要なのは、実は「人間」という。家族連れが増える時期。霧状の水が噴射されるシャワーを稼働させると同時に、来園者に「自身でも熱中症に気を付けて」と呼び掛ける。
 ペットの熱中症予防も欠かせない。
 ひらやま動物病院(神戸市中央区)の平山健太郎院長は、発汗による体温調節ができない犬への注意が特に必要と指摘。風通しの悪い部屋で、苦手な耳掃除中に体温が40度超まで急上昇、過呼吸状態に陥った犬もいたという。平山院長は「しっかり水分補給をさせ、家が犬だけになるときもエアコンをつけっぱなしに」とする。
 「散歩にも気を付けて」とするのは、旗谷動物病院(同市垂水区)の旗谷昌彦院長。犬は地面に近く、反射熱の影響を受けやすい。「日中は避け、朝早くか、夜遅くに」という。
 乳牛もストレスで乳量が落ちているという。乳製品製造を手掛ける丹波乳業(丹波市)の吉田拓洋社長は「仕入れる生乳の生産量が減り始めている。いつまで続くのか」と、気温の行方に気をもんでいる。(段 貴則、田中陽一)

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