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 兵庫・姫路の市街地を流れる2級河川「市川」に江戸・明治期から残る堰(せき)や突堤について、県が最新技術を駆使して治水効果を検証したところ、流れに対して斜めに設けられた「花田井堰」は水位を平均11センチ下げ、護岸沿いの石積み突堤「水制工」は流速を毎秒4メートル緩めていることが分かった。伝統的な工法の効果が数字で明らかになり、県はこれら4施設を補強して残す方針を決定。本年度中に具体的な活用方法の検討を始める。(宮本万里子)

 市川は姫路城主・池田輝政が江戸初期、城下町を水害や敵から守ろうと大改修した際、川を東に迂回(うかい)させて大きくし、現在の規模や形状になったとされる。堰などは姫路城から北東に約3キロの同川下流部にあり、城下を水害から守るために造られた。

 ただ、市川は大雨でたびたび氾濫し、明治中期には下流で堤防が決壊。その後も浸水被害が相次ぎ、2011年9月の台風時には姫路市内の流域住民約10万人に避難勧告が出された。

 河床掘削など水害対策を進めてきた県は、下流域の古い堰などの存廃を決めるため、最新技術を使って現状を調査。小型無人機「ドローン」からレーザーで川の地形を細かく測量し、コンピューターで30年に1度の降雨による流量(毎秒2400トン)を想定した水位の変化などを分析した。

 その結果、川の流れに対する角度をずらした「斜め堰」である花田井堰(江戸後期築)は、流れに垂直の堰より水位を下げる効果が高かった。石積みの突堤・水制工5基(明治後期築)は護岸付近の水流の向きを変えることで、流速を毎秒6メートルから2メートルに緩めることが判明した。

 ほかに、姫路城主・本多忠政が江戸初期に築いたとされる飾磨樋門(ひもん)と、同時期にできた飾磨井堰も、一定の治水・利水効果があると判断した。県姫路土木事務所は「伝統的な工法の意義に驚いた。古い時代に考え抜かれた役割をきちんと維持できるような方法を考えたい」としている。

 こうした古い堰や突堤は県内外の河川にあるが、効果を明確にした上で残す例は珍しいという。

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