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業務用として出回ったカネミ倉庫製の米ぬか油「ライスオイル」の一斗缶(写真家河野裕昭さん撮影)
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業務用として出回ったカネミ倉庫製の米ぬか油「ライスオイル」の一斗缶(写真家河野裕昭さん撮影)

 九州を中心に西日本一帯で甚大な健康被害をもたらした食品公害カネミ油症事件。関西には認定患者が約130人いる。神戸新聞社は、油症被害者関西連絡会を通じ、未認定の被害者を含む47人に書面アンケートを実施。うち50~80代の男女8人が深刻な健康被害や苦境を明らかにした。

(小尾絵生)

 8人のうち患者認定を受けているのは7人、未記入が1人。カネミ倉庫(北九州市)製の米ぬか油「ライスオイル」を食べた場所は、長崎県五島市が3人、北九州市が2人、他は不明だった。

■体の異変

 油症が原因と考えられる身体症状について、皮膚のかゆみや変色、吹き出物などの皮膚症状を挙げたのは6人いた。

 ほかに50代女性は「小学生の時に下顎に水がたまり、数カ月入院。19歳で下顎に腫瘍ができるようになり、20回位切除した。口の運動障害が残り、容貌の変形などがある」と記述した。

 50代男性は「食欲不振、発熱、虚弱、歯が弱い」などを挙げ、80代女性は「(当時)子育て中で体力的に苦しい思いをした。子どもは風邪や熱で病院通い。下の子は重い肺炎でつらい思いをした」とつづった。

 米ぬか油を直接食べていない子や孫の代に影響があると答えたのは2人で、皮膚症状のほか「肝機能の検査数値が悪い」と記した。

■理不尽な経験

 油症患者であることから、理不尽な思いをした経験があるかどうかを尋ねると、50代女性は「病院で『病気と油症は関係ない』と言われ、話さえ聞いてもらえなかった」と振り返った。80代女性は「長い間、世間に油症患者であると知られないように生活してきた」と生きづらさを吐露した。

■悲痛な思い

 自由記述欄には次のような悲痛な思いが記されていた。

 「油症被害発覚以降に病気になってから現在まで、病院通いでつらい毎日。体調不良もあり、働くことも大変だった。医療費や交通費の中でも(カネミ倉庫に)一部支払ってもらえない費用があり、全ての支払いをしてほしい」(50代女性)

 「油症患者は健康に生きるという基本的人権を奪われた。加害者とその後継者はその点を理解し、支援について深く考え、行動してもらいたい。世間の人にとっても人ごとではない。この問題が放置されれば、自分や子どもの将来の脅威になり得ることを考えてほしい」(50代男性)

     ◇

 カネミ油症に関する相談は、九州大学病院油症ダイオキシン研究診療センター(TEL092・642・5211)や都道府県の相談窓口で受け付けている。また、カネミ油症被害者支援センター(東京都)などは12月1日、高砂市内で「カネミ油症事件から50年(仮題)」と題した集会を計画している。

=おわり=

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