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被災者に無償で提供された公営住宅で新しい生活の準備をする毛利有香さんと陽平君=6日午後、広島県坂町小屋浦
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被災者に無償で提供された公営住宅で新しい生活の準備をする毛利有香さんと陽平君=6日午後、広島県坂町小屋浦
1階部分がほとんど土に埋まった倒壊家屋=2日午後、広島県坂町小屋浦
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1階部分がほとんど土に埋まった倒壊家屋=2日午後、広島県坂町小屋浦

 西日本豪雨で16人が犠牲になった広島県坂町。発生から1カ月経過しても復旧の見通しはなく、避難生活は長期化する。地元にとどまって生活再建するのか、それとも転居か。被災者たちの心は、地域への愛着と災害への恐怖の間で揺れている。(那谷享平)

 「入居できたのはうれしいが、期間は半年。それまでに家の修理ができればいいけど」

 約130戸が全壊した同町小屋浦地区。家具のそろっていない公営住宅の新居で、パート女性(46)と小学2年の次男(8)が段ボール箱を開け、新品の布団や鍋などを取り出す。築15年の自宅が半壊し、家族4人で行政が無償提供する集合住宅に入居。エアコンや網戸はなく、室内でも汗ばむ。

 住宅ローンも残る中、避難生活で出費はかさむ一方。「答えの出ないことばかり心に浮かび、料理をする気力もない」

 就職活動中の長男(19)は広島市への転居を望むが、次男の学校環境を変えたくはない。有香さんも自分が育った小屋浦が好きだ。それでも時折「水害の起きない場所に住めないだろうか」との思いがよぎる。

     ◆

 「同じような災害がまた起こるのではないか」。小屋浦地区の避難所で暮らす男性(79)は、同地区での生活再建をためらっている。自宅は1階が泥と水にのまれて全壊。隣家の男性が亡くなったという。

 大雨が降った7月6日夜、川の氾濫に備えて妻と自宅2階に避難していた。建物のはりや畳などが自宅玄関先に流れ着いていた。110番しても救助は来ず、眠れない夜を過ごした。

 「もう小屋浦では暮らしたくない」。では、どこに住めば-。公営住宅の無償提供は抽選に落ちた。持病も抱える。将来を妻と話しても結論は出そうにない。

     ◆

 坂町では8月上旬から仮設住宅の建設が始まったが、最も被害が深刻な小屋浦地区に十分な土地がなく、別の地区に建つ。住民同士のつながりが強く、被災者からは「離れ離れになりたくない」との声が上がる。

 阪神・淡路大震災でも、避難所から仮設住宅、復興住宅へと移る過程で、コミュニティーの崩壊が課題となった。神戸市のボランティア団体で、同地区の避難所で支援活動する「被災地NGO恊働センター」の頼政良太代表(30)は「新しい生活の支援とともに、コミュニティーづくりが重要」と指摘している。

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