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土砂崩れで山肌がむき出しになったままの共同墓地(中央奥)。掘り出された墓石の一部が路上に並ぶ=丹波市氷上町横田
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土砂崩れで山肌がむき出しになったままの共同墓地(中央奥)。掘り出された墓石の一部が路上に並ぶ=丹波市氷上町横田

 西日本豪雨による土砂崩れで、兵庫県丹波市氷上町の共同墓地にあった約80基の墓がほぼ全て押し流され、お盆を前にした今も復旧のめどが立っていない。墓石の一部は土砂の中から取り出されたが、「遺骨が見つからない」「いつ墓参りができるようになるのか」と地元住民から悲痛な声が上がる。公営墓地でないことなどから、行政による復旧費用の支援も現状では望めず、「墓じまい」を考える人もいるという。(金 慶順)

 西日本豪雨では岡山、広島、愛媛県などの被災地でも、寺院を含め、墓地の被災が報告されている。

 ほぼ全ての墓が被災したのは、丹波市氷上町横田の「横田北墓地」。地元住民が管理する共同墓地で、山の斜面が3、4段に造成され、約80基の墓が立っていた。7月7日未明に発生した土砂崩れで、数基を除いて、見る影もなく押し流された。

 管理組合代表の秋末徹さん(45)も墓を失った一人。「墓石は土砂の中から見つかったが、お骨は今も行方が分からない。信じられない思い」と嘆く。

 復旧のめどが立たない中、7月中旬には、近くの青蓮寺の荒木伸雄住職が、通常は墓を動かす際に行う「魂抜き」の法要をした。その後、国土交通省豊岡河川国道事務所が、隣接する北近畿豊岡自動車道の周辺の土砂を撤去した。埋もれていた数十基の墓石や地蔵は、同自動車道の高架下に移され、そこに多くの住民が手を合わせに訪れている。

 現在も崩れたままの山の斜面は、兵庫県丹波農林振興事務所が整備する方針だが、墓地の復旧は管理組合が行わなければならない。

 国交省都市安全課によると、自治体が管理する公営墓地が被災した場合は、通路など共有部分の復旧費の半額を国が補助するが、住民管理の墓地は対象外だ。

 丹波市では2014年の丹波豪雨の際も、自治会などが管理する共同墓地が被害を受けた。ただ被災した墓地が6カ所と複数にまたがったため、市が200万円を上限に、土砂の撤去費や共有部分の復旧費の半額を補助した。

 今回は今のところ同様の補助はなく、個人財産である墓石の修理は個人負担となる。地元住民11人で検討委員会を立ち上げ、今後の方針を話し合っているものの、遺骨が見つかった人と見つからない人、墓石が掘り出された人と埋まっている人など、住民ごとに事情はさまざま。お盆までの復旧は困難な状況だ。

 義父の墓を流された正呂地(しょろじ)和栄さん(57)は、大規模な土砂崩れの中で、けが人がいなかったのは「ご先祖さまが守ってくれたのかもしれない」と前を向く一方で、「今年のお盆は、ご先祖をどうお迎えしたらいいのか」と苦悩する。

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