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兵庫県公館の資料館で保管されていた個人名記載の資料。1人分の手術の実施報告書(左下)と、23人分の名前や疾患名の一覧表が見つかった(画像の一部を加工しています)
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兵庫県公館の資料館で保管されていた個人名記載の資料。1人分の手術の実施報告書(左下)と、23人分の名前や疾患名の一覧表が見つかった(画像の一部を加工しています)

 旧優生保護法(1948~96年)に基づき障害者らへ不妊手術が繰り返されていた問題で、兵庫県内で手術を受けた24人分の資料の存在が16日、明らかになった。県はこれまで個人の特定につながる記録は一貫して「見つからない」としてきたが、県公館内の資料館に整理した上で保管されていた。同館で簡単に見付けたという被害弁護団は県の姿勢を「あまりに不誠実」と憤り、調査の徹底と被害の掘り起こしを改めて求めた。(田中陽一、田中宏樹)

 「県は何を調べていたのか。もっと真剣に取り組んでほしい」。16日、会見で個人名を含む資料が見つかったことを明かした「優生保護法被害兵庫弁護団」(藤原精吾団長)のメンバーは語気を強めた。

 「子どもを持つ、持たないを自分で決める権利を侵害した」と旧法の問題点を指摘する弁護団。被害実態を調べるため、6月13日に県公館内の県政資料館を訪れた。そこのデータベースで「優生」というキーワードで検索すると、すぐに関連資料が17件見つかり、中には個人名などの入った記録も2種類あった。

 県はかつて、障害児の出生防止などを掲げた「不幸な子どもの生まれない県民運動」(66~74年)を全国に先駆けて展開した経緯がある。弁護団はこの運動に触れ、「社会にはびこる優生思想をなくすため、県は自覚と責任を持って調査を進めるべきだ」と強調。県と県教育委員会に対し、保有する関連資料の開示も求めた。

 一方、庁内で強制不妊手術問題を担当する健康増進課は、問題が全国でクローズアップされ始めた今年2月、県政資料館の担当課に資料の有無を問い合わせたが、「『ない』と報告を受けた」と説明。春以降、国が自治体に関連資料の保管を要請し、県内の障害者団体も公文書の調査を求めたが、2月の報告を根拠に資料館への再確認はしなかったという。

 その他、関係する庁内の書庫と倉庫の書類については目視で確認し、該当資料はなかったとするが、健康増進課はこの日の会見を受け、「結果として(調査に)漏れがあったのは事実。すぐにでも再調査が必要だと考えている」とした。

 県に調査を求めていた障害者団体で事務局長を務める藤原久美子さん(54)は「県が問題の重要性を十分に認識しないまま調査していたことが丸分かりになった」と不信感をにじませ、「丁寧に調べれば記録はさらに見つかるはず。徹底して調査し、その結果を報告してほしい」と話した。

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