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深日港からの始発便で到着したサイクリスト=いずれも洲本港
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深日港からの始発便で到着したサイクリスト=いずれも洲本港
船内のデッキに設置された自転車を固定する器具
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船内のデッキに設置された自転車を固定する器具
神戸新聞NEXT
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 兵庫県洲本市洲本市の洲本港と大阪府岬町の深日(ふけ)港を結ぶ大阪湾定期航路の復活に向け、社会実験で旅客船が運航されている。乗客減で1999年に廃止されたが、近年、自転車で淡路島を一周する「あわイチ」が人気で、サイクリストや観光客の乗船を当て込む。淡路島の地域活性化の切り札として再び脚光を浴びようとしている。

■進む実験運航、週末は満員便も

 9月2日午前9時、洲本港に深日港から始発便が着いた。68人乗り双胴船「インフィニティ号」から続々と降り立つのは、色鮮やかなジャージーに身を包んだサイクリストらだ。

 「以前から『船便があったらいいな』と思っていた」と話すのは堺市の男性会社員(35)。「PRすれば利用者は増えるのでは。コインロッカーやシャワーなどもあればいい」と続けた。ほかにも親子でサイクリングを楽しむ姿もあった。

 淡路島と深日港を結ぶ航路は49年に開設され、フェリー運航も始まるなどにぎわった。しかし、明石海峡大橋開通など移動手段の変化に伴って乗客も減り、99年、半世紀の歴史に幕を閉じた。

 港のにぎわいを取り戻そうという岬町の思いは強く、短期間の試験運航を経て昨年6月末から3カ月間、国のモデル地区指定で社会実験運航にこぎ着けた。しかし、当初は乗客が伸びず、平日は乗客ゼロの便もあったという。

 そんなとき、和歌山の自転車愛好家グループから「自転車を30台ほど積めますか」との電話が岬町の担当部署にあった。広くはない船内にどう収容するか。愛好家にも相談し、自転車の前輪を外して船に固定する器具を導入。最大30台の積載が可能になった。「やれることは何でもやろうと思った」と担当者。

 こうした対応が会員制交流サイト(SNS)などでサイクリストの間に広まり、「あわイチ」人気とともに利用者が増え始めた。

 明石海峡大橋経由で遠回りをしていた大阪南部や和歌山のサイクリストたちが、海をまたいで直線23・5キロ、片道55分で淡路島へ。実験終盤の週末には満員の便が続出した。

 社会実験は今年も7月から来年2月まで実施される。猛暑や相次ぐ台風などが影響し、開始2カ月の1便あたりの乗客は9・8人(前年13・1人)だったが、洲本市と岬町は秋の観光シーズンでの巻き返しを図る。

 シニア層や学生対象の期間限定割引を導入するなど利用拡大策を展開。9月24日には待望の「あわイチ」も開催予定だ。兵庫県と徳島県は大鳴門橋を自転車で通行できるように検討を進めており、実現すればさらに展望が開ける。

 洲本市の担当者は「災害時のルートとしても航路は必要。人を呼び込む手段として、定期航路をぜひ実現させたい」と力を込める。

 乗船料は片道大人1500円、小学生500円。洲本港発券所TEL0799・24・1525

■16年ぶり航路復活、活況 神戸-小豆島

 国土交通省によると、今年4月時点の一般旅客定期航路は548で、この20年、航路数はほぼ横ばい。廃止された定期航路の再開は容易ではないが、復活後に活況となったケースもある。

 神戸と香川県の小豆島を結ぶ航路は2011年、フェリー航路として16年ぶりに復活した。小豆島観光協会によると、同島の観光客は年間約100万人。神戸便が発着する坂手港の乗降客はここ数年、年間17万~18万人と堅調に推移している。

 同島などで開かれる瀬戸内国際芸術祭など人を呼び込む仕掛けも奏功した。同芸術祭の夏期では兵庫と大阪からの来島者が約4割を占め、小豆島町は同芸術祭夏期の経済効果を15億円とはじく。神戸航路復活によるアクセス向上が寄与しているという。

 新潟県の離島は44年ぶりの航路復活を目指す。新潟県粟島浦村は国の補助金を得て今年6~7月、粟島-新潟市間を高速船で1日1往復する社会実験を実施。欠航日を除く平日の13日間で計478人が利用した。

 実験は3年がかりで需要や課題を探る。同村は「来年以降は土日も運航し、上越新幹線を介して首都圏からの利用増につなげたい」と意気込む。(渡辺裕司)

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