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机の横の手提げ袋には、教室に置いておく副教材や音楽の用具などを入れて保管する=神戸市東灘区住吉東町4、市立住吉小学校
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机の横の手提げ袋には、教室に置いておく副教材や音楽の用具などを入れて保管する=神戸市東灘区住吉東町4、市立住吉小学校

 小中学生の通学かばんが重過ぎるといった保護者らからの指摘を受け、文部科学省は今月6日、都道府県の教育委員会などに、持ち物の重さや量に配慮を求める通知を出した。学校現場では、既に教科書や副教材を教室に置いて帰る「置き勉」(置き勉強道具)を容認するところが増加。ただ、防犯上の問題や「学習習慣が身に付かない」と心配する声もあり、実際に何を置いておくかについては、今後も学校によって対応が分かれそうだ。(久保田麻依子)

 「国語の教科書・習字用具」「社会の地図帳」「数学ワーク」…。神戸市東灘区の市立住吉中学校で、1年生の教室に掲示されている「教室に置いてよいものリスト」の一部だ。同校では毎年、各学年の担当教諭らが「置き勉OK」の教材を考える。山田孝雄校長によると、同校は校区が広く、坂道を徒歩30分以上かけて登校する生徒も。部活動の用具も合わせると大荷物になることから、置き勉を認めているという。

 「クラス全員に教材を忘れずに持ってこさせるのは至難の業。教室に置いておいた方がいい用具もある」と話すのは、神戸市立住吉小学校(同市東灘区)の片岡正校長。忘れ物防止のため、音楽で使う教科書とリコーダーなどは手提げ袋にまとめて保管させている。

 置き勉をどこまで容認するかについては、学校や自治体によって異なる。神戸市では明確なルールはないが、副読本や、宿題に使わない教材を置くことを認めている学校が多いという。

 兵庫県明石市では、中学校はほぼ全校で置き勉を認めているが、小学校では文科省の通知前の段階で28校中3、4校と少数派。同市教委によると、一部の中学は肩の負担を減らすため、指定かばんをボストンバッグ型からリュックサック型に変更する動きもある。ただ、兵庫県内では「各校に対応を任せている」として置き勉容認の実態を把握していない自治体が複数あった。

 一方、教材を置きっ放しにすることを不安視する声も。神戸市のある小学校では、防犯上の問題や教室の棚が狭いことなどから、一部の副教材を除いて全て持ち帰らせている。また、小4の長男(10)がいる同市兵庫区の母親(40)は「ある日、ランドセルを空っぽにして帰ってきたことがあり、宿題も学校に置いてきた。学習習慣を付けるためにも、ルールの明確化が必要だ」と訴える。

 文科省は今回の通知で、同じ日の授業で多くの学習用具を使う場合、あらかじめ数日に分けて持ってくる▽習字道具は汚れた筆は持ち帰るが、その他は学校に置く-などの実例を紹介。これらを参考とするよう求めつつも、どこまで容認するかは各校の判断に委ねている。担当者は「学校の事情によって対応は異なるが、子どもたちの負担にならないよう配慮してほしい」とする。

■「脱ゆとり」で教科書ページ30%増

 「重い通学かばん」の理由の一つに、学習指導要領の改定による「脱ゆとり教育」で、学習内容が大幅に増えたことが挙げられる。

 教科書協会(東京)によると、小学校で2011年度、中学校で12年度から使われている教科書のページ数は、それ以前に比べて小学校で34・2%、中学校で30・5%増えた。小学校では特に国語と算数のページ数が増加。文部科学省は、タブレット端末などで利用できる「デジタル教科書」の普及を目指している。

 ランドセルメーカーの「セイバン」(たつの市)が今年3月、小学生とその母親計2千人を対象にインターネット上で調査した結果、1週間のうちランドセルが最も重い日の重量は平均約6キロで、背負うことで首や背中に痛みを感じると答えた子どももいた。

 教科書の大判化に加え、プリントのサイズも、ここ10年ほどでB5からA4へと大きくなった。そのため、ランドセルメーカーの「土屋鞄(かばん)製造所」(東京)では、2019年の入学用に販売するランドセルの横幅を1センチ広げたという。(久保田麻依子)

【文部科学省が示した「置き勉」の工夫例】

・家庭学習で使わない教材は、机の中などに置いて帰る

・同じ日に多くの学習用具を使う場合、あらかじめ数日に分けて持ってくる

・特別教室で使う用具は、必要に応じて特別教室に置いておく

・習字道具は汚れた筆のみ持ち帰る

・部活動で使う個人所有の用具は、鍵のかかる部屋やロッカーに保管する

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