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出向先の厚真町で地震に遭った三浦卓也さん。仲間を亡くし、復興に尽力したいとの思いを語った=神戸市中央区浪花町、フェリシモ(撮影・吉田敦史)
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出向先の厚真町で地震に遭った三浦卓也さん。仲間を亡くし、復興に尽力したいとの思いを語った=神戸市中央区浪花町、フェリシモ(撮影・吉田敦史)
支援品の配給と救護の手配に追われる職員ら=9日、北海道厚真町総合福祉センター(三浦卓也さん提供)
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支援品の配給と救護の手配に追われる職員ら=9日、北海道厚真町総合福祉センター(三浦卓也さん提供)

 最大震度7を観測した北海道地震の発生から13日で1週間。厚真(あつま)町の地域おこし事業で同町役場に出向する通販大手フェリシモ(神戸市中央区)の社員、三浦卓也さん(42)は、町内の自宅アパートで被災した。事業に協力してくれた農家は壊滅的な被害を受け、出向先の上司も亡くした三浦さん。「ショックは大きいが、企業人だからこそできる支援があるはず」と復興への思いを語った。

 妻の実家が北海道にあるという三浦さんは昨年4月から、同町産業経済課に出向し、神戸と行き来しながら、自社のネットワークを生かしたまちの活性化に取り組んできた。厚真名物のジンギスカン料理の店を、今年4~7月の期間限定で神戸・元町に出店。6月には神戸の洋菓子職人を同町に招いて、特産の果物「ハスカップ」を使った商品開発ツアーを開いた。

 地震発生の前日朝、イベント開催のため北海道入りした三浦さんは、6日未明に「ドーン」という音と下から突き上げるような揺れで目を覚ました。「地震や。1階がつぶれる」。慌てて家を飛び出すと、外は街灯も信号も消えて真っ暗。すぐに役場へと車を走らせたという。

 役場は非常用電源で明かりはついていたが、指揮系統が乱れ混乱を極めていた。三浦さんは他の職員と一緒に、水や食料などの備蓄品や支援物資を取りまとめて、避難所に配送する仕事を手伝った。

 夜が明けてからは、大規模な土砂崩れがあった地域の避難所に赴いた。道が寸断されていたため、未舗装の農道を車で走った。その時、民家が土砂にのみ込まれた現場を見て言葉を失ったという。近くに住む、まちづくり推進課長の中川信行さんの安否が分からなくなっていたからだ。「どうか無事でいて」。そんな願いもむなしく、9日に遺体で見つかった。

 「中川さんはいつも穏やかに相談に乗ってくれた」と三浦さん。庁内で姿を見かけると「元気か」と声を掛けてくれる気配りの人だったと振り返る。地震前日の昼、一緒にそばを食べた時も「台風21号の農業被害が心配だ」と地元農家を気遣っていた。「大事な人を失った」と声を落とす。

 三浦さんは現在、一時的に神戸に帰り、北海道の被災地を支援する商品の販売に向け準備を進めるほか、神戸の飲食店と復興イベントなどを開催できないかを検討。9月下旬にも再び同町に戻る予定だ。「よそ者の自分を温かく受け入れてくれた町。必ず恩返しをする」と力を込めた。(中務庸子)

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