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ワンピースやコート、バッグなど多彩な播州織の製品=播州織工房館
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ワンピースやコート、バッグなど多彩な播州織の製品=播州織工房館
工場の外に干された播州織ショールを見学する女性客=西脇市比延町、タマキニイメ
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工場の外に干された播州織ショールを見学する女性客=西脇市比延町、タマキニイメ

 兵庫県北播磨の地場産業「播州織」を使った服飾やテキスタイル(織物)のブランドが続々と登場している。かつては大半がアパレルメーカー向けの生地生産だったが、この10年ほどで消費者向けに販売するブランドの立ち上げが相次ぎ、おおよそ30に上る。全国の百貨店などでの取り扱いはもちろん、海外展開するブランドも。“播州織ファン”が産地を訪れる現象も起きている。(長嶺麻子)

 西脇市を中心にした播州織の各ブランドは素材、アイテムとも多彩な展開を繰り広げる。ネット販売のほか、全国の百貨店やセレクトショップなど、取扱店は近年、増えている。

 火付け役となったのが、同市比延町に店舗兼工房を構えるブランド「タマキニイメ」だ。2009年、肌触りが絶品で斬新な色合いのショールを発表して注目を集めた。レディースを中心にボトムスやトップス、ニットなど、アイテムを増やし、現在は海外15カ国でも販売する。

 設立者のデザイナー玉木新雌さん(40)は播州織の技術の高さに着目。企業間取引が主だった産地に、徹底した消費者目線を取り入れた。「歴史や既存の概念にとらわれず、どういうふうに作れば面白いかを考え続けている」

 店の棚に並ぶ商品は頻繁に入れ替え、「お客さんに楽しんでほしい」と織機が並ぶ工房も一般公開。電車では不便な立地だが、店には客足が途切れない。

 玉木さんが切り開いた播州織の新たな可能性。産地には次々とブランドが立ち上がった。

 同市の産元商社が11年から展開するブランド「ハツトキ」は、東京から移住したデザイナー村田裕樹さん(30)が西脇の自然から着想を得たイメージの婦人服を展開する。バイヤーが産地見学に訪れ、東京や京都などの百貨店からも関心を集めている。

 別の産元商社が15年に始めたブランド「ポルス」(同市)はアート作品を意識した商品が特徴。生地開発力の高い地元織布会社の協力を得て、従来の播州織製品からは想像もつかない大胆な色使いで、立体的な織りの服やかばんを製造する。

 まだまだ進化し続ける播州織。ブランド直営店は少ないが、多くの商品は播州織工房館(同市西脇)などで販売している。

 タマキニイメTEL0795・38・8113▽播州織工房館TEL0795・22・3775

▼提案型に転換、販路拡大

 200年以上の歴史がある播州織。戦後、米国や欧州向け輸出が再開すると、西日本を中心に各地から女性工員が集まり、昭和30年代には2万人を超えた。40~50年代には約1500社を数え、生産金額は1千億円に迫った。

 しかしその後、円高、バブル崩壊、アパレル不況などで打撃を受け、現在の企業数は161社とピーク時の10分の1近くに。生産金額は5分の1にまで落ち込んだ。そうした中、受注型から提案型の生地生産への転換、技術を駆使した服飾などの最終製品づくりは、播州織の新たな可能性として産地の期待が集まる。

 西脇市は2016年に「ファッション都市構想」を打ち出し、播州織のブランド力向上と、産地での起業を視野に入れた若手デザイナーの育成を図る。

 最終製品の売上高は17年度約4億円(推定)とまだ規模は小さいが、ネット販売などで販路は拡大しており、播州織ブランドの知名度は確実に広まっている。

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