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アクリルガラスを入れた防潮堤が整備された洲本港=洲本市海岸通1(兵庫県提供)
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アクリルガラスを入れた防潮堤が整備された洲本港=洲本市海岸通1(兵庫県提供)

 津波や高潮の被害を防ぐ防潮堤にアクリルガラスを取り入れる取り組みが各地で広がっている。元々は神戸で始まり、東日本大震災後、巨大なコンクリート壁に囲まれて過ごす被災者から「海が見たい」という切実な願いを受けて防潮堤に「窓」を設ける自治体が続出。関係者は「観光資源としても活用していきたい」とPRしている。

 ガラスメーカーなど7社でつくる「シーウォール推進協議会」によると、使用するアクリルガラスは水族館などの水槽に使う技術を応用。高強度ガラスの厚みを増し、津波や高潮にも耐えられるようになった。

 ガラス付き防潮堤、発祥の地は神戸市だった。2008年に中突堤と神戸ハーバーランドの防潮堤(高さ約1・5メートル)に、縦1・2メートル、横最大2・5メートルのアクリルガラスを計33枚設置したのが、全国で導入1例目。費用は若干割高となったが、神戸市は「防災と景観の折り合いをつけるための判断。観光客らに美しいミナト神戸の風景を楽しんでほしかった」と説明する。

 14年には同市内の兵庫運河にも設置し、好評を博したため、今年3月にもう1基整備。兵庫県も6月末に淡路島の洲本港に「窓付き防潮堤」を完成させた。県の担当者は「評判も上々。島の玄関口なので、インバウンド(訪日外国人客)の呼び込みにもつなげたい」と話す。

 東日本大震災の被災地からも注目を集めており、宮城県気仙沼市では現在、発光ダイオード(LED)を埋め込んだ「光る防潮堤」の整備を計画中だ。高さ3メートルの防潮堤に幅1メートル、高さ2メートルのガラス窓を約80枚設け、夜になると埋め込んだLEDライトが周囲を照らし出す。来年夏までの完成を目指す。県の担当者は「毎日コンクリート壁を見て過ごす生活はつらい。地域に愛される防潮堤を目指したい」と話す。

 同協議会によると、ガラスの防潮堤は現在までに、全国約10カ所で整備。台風21号の高潮被害を受けた地域や、河川敷で花火大会を予定する自治体などからも問い合わせが相次いでいる。喜田俊雄会長(68)は「非常時の海の様子や逃げ遅れた人の有無も確認できる。これまでの防潮堤のイメージを変えたい」と話している。(前川茂之)

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