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西日本豪雨で避難所となった小学校の体育館=7月、神戸市北区
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西日本豪雨で避難所となった小学校の体育館=7月、神戸市北区

 災害時に小中学校に開設される避難所への対応が課題となっている。避難所運営は自治体職員が担うと決めている市町が多いが、今月4日の台風21号では、神戸市内の複数の小学校に市職員が現れず、教諭らが避難者を受け入れた。今夏は災害が相次ぎ、今後も秋雨や台風シーズンが続くことから、学校側から「対応に限界があり、学校業務にも支障が出る」と懸念の声が上がる。(久保田麻依子)

 1995年の阪神・淡路大震災では神戸市を中心に、多くの被災者が長期間学校に避難する想定外の事態となり、教諭も避難所運営に追われた。ただ原則的には市町長に責務があり、行政職員が業務を担うと規定しているケースが多い。

 同市東灘区の六甲アイランドにある小学校には4日午後2時半ごろ、高潮や浸水の影響で8人が避難した。警報による休校で児童はいなかったが、残っていた校長が区役所に連絡すると「暴風などで六甲大橋を渡れず、職員が行けない」と説明されたという。

 その後も4人の避難があり、午後6時半に避難所を閉じるまで、途中からは校長1人で対応した。校長は「幸いスムーズに運営できたが、市や区は暴風が迫る前に対策を取れなかったのか」と疑問を投げ掛ける。

 同日、住民10人が身を寄せた市内の小学校では教頭や教諭が、毛布やマットの用意など避難所の開設作業に追われた。市の防災対応マニュアルは「避難者の来所が確実な場合、職員を避難所へ派遣し開設準備を行う」と定めるが、実際は、避難者が来るかどうか事前に分からない場合が大半。校長は「今夏は徹夜で待機した教諭もいる。なかなか代休も取れず、心身両面で疲弊している」と漏らす。課題となっている教諭の多忙化に、相次ぐ災害が拍車を掛けている状況だ。

 別の校長は「学校は児童の安全が第一。被害が甚大な場合、避難所運営まで手が回らないことも想定してほしい」と求める。教諭が児童・生徒と同様に、避難者の安全に責任を持てるのか、という問題もある。

 市危機管理室は「避難所が多かったこともあり、どのタイミングで職員を派遣するか見通しが立たなかった。検証したい」とする。

 県内の他の自治体については、県教育委員会も対応を把握していないという。姫路市は「開設準備を学校に手伝ってもらうことはあるが、基本的に市職員が最初から最後まで対応する」。伊丹市は「避難者がいなくても、市の担当者が学校で待機する」としている。

■地域ごとマニュアル作成を

【神戸学院大の前林清和教授(社会防災学)の話】 避難所は開設も含め行政が行うもの。学校側が道義的に手伝うケースもあるが、襲来が想定できる台風や大雨などでは、あらかじめ行政が主導すべきだ。ただ大地震などで行政職員がすぐ駆け付けられない場合もある。行政、学校、地域が連携し、非常時に誰がどのように行動するかを協議し、地域ごとに防災マニュアルを作成しておく必要がある。

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