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 パワハラ被害が社会問題となる中、同じ職場で加害者の言動を見聞きしている人も体調を崩す「間接被害」が新たな問題として浮上している。毎日のようにパワハラの現場を目撃することで心身の不調を訴え、関係機関に相談するケースも目立つという。間接被害に対する会社側の責任が認定される判決も出ており、関係者は「パワハラは加害者と被害者だけの問題ではない」と訴えている。(末永陽子)

 「上司が大声を出すたびに、吐き気を催すようになった。怒られているのは同僚なのに…」

 兵庫県内で働く女性(28)は昨年から、頭痛や吐き気、不眠などに悩まされるようになった。複数の病院にかかり、パワハラを間近で見たり聞いたりすることによる自律神経失調症と診断されたという。

 体調を崩す3カ月前から在籍した部署では、50代の上司が30代の男性に対して日常的にパワハラを繰り返していた。男性がミスをするたびに「給料を半分にする」などと暴言を吐き、机や椅子を蹴ることも。女性は「次の標的になるのが怖くて、見て見ぬふりをしていた。その罪悪感も強かった」と振り返る。

 半年後に男性がうつ病を発症して会社に相談し、部長は処分され異動になった。だが、女性は今も大きな声や音を聞くと不調になりがちで、通院を続ける。

     ◇

 兵庫県内では職場のパワハラは依然深刻な状況だ。

 兵庫労働局に2017年度に寄せられた労働相談件数は4万7614件。そのうち最多がパワハラに相当する「いじめ・嫌がらせ」の3407件で、5年連続トップ。13年以降は減少傾向にあるが、相談総数に対する割合は上昇しており、26・3%で過去最高だった。

 労働局などには「パワハラを目の当たりにしながら何もできない」「怒られている同僚を見ると自分も具合が悪くなる」などの相談もあるという。

 パワハラの間接被害に対する慰謝料を会社側に命じる判決も出ている。

 今年5月、女性4人が男性役員から退職を強いられたとして勤務先を訴えた訴訟で、最高裁は会社側の上告を退け、間接被害を認める判決が確定した。役員は女性係長2人に対し、50代の年齢を理由に退職を求めるような発言を重ねていたが、それを見聞きしていた同年代の部下2人も「間接的に退職を強いられた」と認定された。

 兵庫労働局は「パワハラは被害者だけでなく、その周囲にも悪影響を及ぼす。職場全体で解決する必要がある」としている。

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