総合 総合 sougou

  • 印刷
窯で焼き上げる前の瓦が並ぶ工場。台風21号による需要増でフル稼働が続く=南あわじ市湊、野水瓦産業
拡大
窯で焼き上げる前の瓦が並ぶ工場。台風21号による需要増でフル稼働が続く=南あわじ市湊、野水瓦産業

 9月上旬に近畿地方に上陸し大きな被害をもたらした台風21号で、家の屋根瓦が多数壊れ、全国有数の瓦産地である兵庫県の淡路島のメーカーに注文が殺到している。被災から1カ月がたった今も、住宅関連の業者のほか、島を直接訪れる被災家屋の住人も後を絶たない。ただメーカーの供給力には限りがあり、需要に全て応えるのは年をまたぐ見通しという。

 淡路瓦は三州(さんしゅう)(愛知県)、石州(せきしゅう)(島根県)と並ぶ日本三大瓦の一つとされる。

 播磨灘を望む朝日窯業(ようぎょう)(南あわじ市)の工場。窯出ししたばかりの瓦が次々とトラックに積み込まれ、出荷先へと向かう。「6月の大阪府北部地震を受けて増産態勢を敷いていたのに、台風21号が通過した後の3日間で在庫が底を突いた」と道上義治社長(71)。従業員が土曜も出勤し、地元のシルバー人材センターにも人員派遣を依頼して工場をフル稼働させている。

 記録的な「風(かぜ)台風」となった台風21号では、最大瞬間風速が和歌山市の57・4メートルをはじめ、近畿の30地点以上で観測史上最大となった。

 淡路島内の瓦メーカーでつくる淡路瓦工業組合によると、大阪府南部や和歌山県、奈良県からの注文が目立つ。瓦の種類では、粘土に釉薬(ゆうやく)を塗って焼き上げた「陶器瓦」が中心という。1970~80年代に主流だった種類で、くぎで1枚ずつ固定する現在のふき方と違い、当時は屋根板に敷いた土の上に載せるだけの簡易な施工が多かった。このため今回、吹き飛ばされたケースが多かったという。

 しかし、往時は島内で約30社に上った陶器瓦メーカーが現在は数社にまで減少し、生産能力は限られる。朝日窯業と同様、南あわじ市で陶器瓦を生産する野水瓦産業の野水直哉専務(61)は「生産設備を縮小してきたので急に増産へ転じるのは難しい」と話す。

 一方、島内の生産量の4分の3を占め、現在主力の「いぶし瓦」も需要が増加。被災者から問い合わせを受けた淡路瓦工業組合が、加盟業者に注文を取り次いでいる。

 同組合の竹澤英明専務理事(62)は「最近施工された瓦は、強風や地震などへの耐久力が強く、台風21号で被害が少なかったこともアピールしたい」としている。

(長尾亮太)

【陶器瓦といぶし瓦】釉薬(ゆうやく)を塗って焼き上げる陶器瓦は、多彩な色合いを表現できる。いぶし瓦は釉薬を使わず、焼く時に表面に炭素膜をつくる「燻化(くんか)」を施すことで鈍い銀色の輝きを生み出す。淡路島内の2017年の瓦出荷量は2651万枚で、このうち、いぶし瓦が75%を占める。淡路瓦工業組合には70業者が加盟する。

総合の最新
もっと見る

天気(12月11日)

  • 11℃
  • ---℃
  • 70%

  • 11℃
  • ---℃
  • 80%

  • 11℃
  • ---℃
  • 80%

  • 11℃
  • ---℃
  • 80%

お知らせ