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北部農業技術センターで飼育されている種雄牛。手前は基幹種雄牛の「丸春土井」=朝来市和田山町安井
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北部農業技術センターで飼育されている種雄牛。手前は基幹種雄牛の「丸春土井」=朝来市和田山町安井

 神戸ビーフなど高級牛肉のもとになる「但馬牛(たじまうし)」を口蹄疫(こうていえき)など感染症から守るため、兵庫県は今月上旬、血統維持の根幹をなす種雄牛(しゅゆうぎゅう)26頭を加西市から朝来市に移動させた。県は種雄牛全40頭を両市の2施設で飼育するが、人や車両の出入りが少ない朝来市の施設の感染リスクがより低いとみられるための措置。但馬牛は他県の牛と交配せず飼育されてきた和牛で、いったん血統が失われると取り返しがつかず、県は万一の事態に備えて管理体制を見直した。(長谷部崇、阿部江利)

 県が2015年度に計画をまとめ、16年度から取り組む「但馬牛遺伝資源保管対策整備事業」の一環。10年に宮崎県で口蹄疫が大流行した際、牛や豚など約30万頭が殺処分され、ブランド牛「宮崎牛」の種雄牛の多くが失われたことなどを踏まえている。

 但馬牛の血統維持で最も重要なのが、生産者に精液を配布する「基幹種雄牛」全12頭と、その候補となる「待機種雄牛」全28頭。口蹄疫などの感染リスクを分散させるため、従来は基幹牛9頭と待機牛24頭を加西市別府町の畜産技術センターで、基幹牛3頭と待機牛4頭を朝来市和田山町の北部農業技術センターで飼育してきた。

 今回の事業では、加西の基幹牛6頭と待機牛20頭を朝来に移動させることを決定。加西の畜産技術センターは隣に県立農業大学校があり、人や車両の出入りも多い。一方、朝来の北部農業技術センターは人里離れた山あいにあって周りに畜産農家が少なく、口蹄疫の感染リスクがより低いと考えられるためだ。

 種雄牛は去勢牛や雌牛より体が大きく、体重は1トン近くに達する上、性格は繊細で特別に広い飼育スペースが必要となる。今回の種雄牛引っ越しに先出ち、肉の品質などを調べる検定肥育牛80頭を朝来から加西に移動させ、空いたスペースに種雄牛舎を整備。両センターと農業大学校での牛舎の新設・改築も含め、“玉突き移動”した牛は計240頭に上ったという。

 両センターの衛生管理も強化し、それぞれに消毒施設を整備した。北部農業技術センターの福島護之所長は「万が一、口蹄疫が発生すれば、兵庫の畜産業界にとって計り知れない痛手になる。万全を期して対策を進めたい」としている。

 但馬牛が食肉にされた段階で一定の品質評価を受けたものが但馬牛(ぎゅう)で、その中でも霜降り度合いや脂質など決められた基準を満たした肉が「神戸ビーフ」とされる。

【口蹄疫】牛や豚、ヤギ、シカなどの偶蹄(ぐうてい)類が感染する家畜伝染病。口やひづめに水ぶくれやただれができ、発熱、食欲不振、歩行困難などの症状が出る。感染した家畜のほか、車両、人などを介して伝染し、空気感染でも広がる。成長した家畜の死亡率は数%とされるが、感染力が極めて強いため、発生した場合は家畜の殺処分など防疫措置が取られる。

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