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11月末完成予定、来年3月に一般公開を控える尼崎城の天守=尼崎市北城内
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11月末完成予定、来年3月に一般公開を控える尼崎城の天守=尼崎市北城内
明治初頭、廃城前の尼崎城。右奥が天守(尼崎市立地域研究史料館提供)
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明治初頭、廃城前の尼崎城。右奥が天守(尼崎市立地域研究史料館提供)
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 明治維新後の廃城令で取り壊された尼崎城が約140年ぶりに「再建」され、来春に一般公開される。兵庫県尼崎市や地元商店主は「観光振興の目玉に」と期待する一方、城郭の専門家からは、復元される天守や櫓(やぐら)の構造が「史実と大きく異なる」との声も。ただ、尼崎ゆかりの篤志家が再建を手掛け、市に寄贈するだけに、助言や内部展示に協力する市は「史実との相違点は認識しているが、市民から愛される城を目指している」との見解だ。完成は目前。全国に再建された城は数多いが、この尼崎城は史実と何が違う?(小谷千穂)

◇住民「盛り上がれば問題ない」

 まず異なるのが再建場所。本来の城跡から北西約300メートル、阪神尼崎駅の南にある尼崎城址公園内だ。元の城跡には小学校などがあり、再建は困難だったという。同駅から訪れる人を回り込んで入場させ「城らしさ」を演出するため、天守の付け櫓の配置も変えた。

 さらに、建物は耐震性の確保や予算上の理由から木造ではなく鉄筋コンクリート製に。4層の天守は「5階建て」になり、中央にエレベーターが設けられた。市担当者は「歴史を発信し、地域に愛される城を優先した」とする。

 こうした“工夫”に、奈良大学の千田嘉博(せんだよしひろ)教授(城郭考古学)は石垣の積み方も伝統の技法でないとし「国史跡でなくても史実を踏まえる必要があり、本当の姿も示してほしい」と提言。「関西城郭研究会」の高森雅己会長=神戸市垂水区=も「再建は歓迎するが、構造が史実通りでない部分は残念」と話す。

 実は再建された城は全国各地にある。名古屋城は1959年に鉄筋コンクリート造りで再建。現在、河村たかし名古屋市長の肝いりで巨額の費用をかけた木造天守復元計画が進む。

 和歌山城は57年、いったん木造で設計し、それをコンクリート造りに置き換えて再建した。ただ、耐震性が問題になり、対策を検討中だ。

 尼崎城の地元住民はどう感じているか。近くの三和本通商店街で天ぷら店を営む鶴留(つるとめ)朋代さん(50)は店頭に尼崎城のパネルを置き「歴史と違っても盛り上がってくれたら」と公開を待ちわびる。市が募る寄付も目標の1億円を超え約1億6800万円に。市民や地元企業の期待がうかがえる。

 外観が史実と異なっても地域のシンボルとなったのが大阪城だ。2017年度は約275万人が来場した。

 尼崎城では、仮想現実(VR)技術を用いたシアターで江戸期の尼崎城や城下町を映像で再現する。千田教授も「中身の充実は肝心」とし「尼崎の歴史を感じ、市民が誇りに思えるような場所になってほしい」と話す。

【尼崎城】1617(元和3)年、大坂城に近い西の守りの要として譜代大名の戸田氏鉄(うじかね)が築城した。江戸期は城下町に最大2万人が暮らした。1873(明治6)年の廃城令で取り壊され、堀も埋められた。2015年11月、家電量販店「ミドリ電化」(現エディオン)の創業者・安保詮(あぼ・あきら)さんが創業の地への恩返しとして、私財10億円以上を投じて城を再建し、市に寄贈すると発表。来年3月29日に一般公開される。

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