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神戸製鋼所の石炭火力発電所増設計画を巡って国を相手に提訴するため、大阪地裁に向かう原告ら=19日午後、大阪市北区
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神戸製鋼所の石炭火力発電所増設計画を巡って国を相手に提訴するため、大阪地裁に向かう原告ら=19日午後、大阪市北区

 神戸製鋼所が神戸製鉄所(神戸市灘区)で増設を計画する石炭火力発電所について、周辺住民ら12人が19日、環境影響評価(アセスメント)で大気汚染などへの配慮がないまま経済産業相が計画を認めた確定通知は違法として、国を相手取り通知の取り消しを求める行政訴訟を大阪地裁に起こした。二酸化炭素(CO2)排出量が多く地球温暖化の悪影響が指摘される石炭火力発電所計画で、環境アセスの不備を追及する行政訴訟は全国で初めて。

 原告らは「CO2排出規制を定めた省令がないのは、『人体に危害を及ぼさないように』と定めた電気事業法に反して違法」との確認も求める。「CO2排出量が天然ガスの2倍以上」とされる石炭火力発電所は、全国で約35基の新設・増設計画があり、各地で反対運動が起きる中、国の温暖化防止対策の妥当性を問う初の訴訟となる。

 訴状などによると、神鋼の増設2基が出すCO2は年間692万トンで、一般家庭150万世帯分に相当。窒素酸化物排出量も最大で年間600トン超とされ、原告らは健康悪化も懸念する。

 原告団には予定地から約400メートルに住む女性のほか、「今夏や秋の豪雨災害のように風水害が激甚化し、気候変動で子ども世代がより深刻な被害を受ける」などとして7歳の女児らも加わった。原告らは9月に神鋼などを相手に建設差し止めを求める訴訟も神戸地裁に提起。建設差し止めを求めた公害調停は今月7日に打ち切られている。

 確定通知は環境アセス最終段階の環境影響評価書の審査で経産相が出す。神鋼の増設計画では今年5月に通知し、内容変更の必要がないとした。神鋼側は10月に着工し、21~22年度の稼働を目指す。原告らは「大気汚染などへの配慮がなく、市民に十分な情報提供がない手続きの問題点を経産相は見逃した」と批判する。

 政府は温暖化対策の枠組み「パリ協定」に基づき、温室効果ガス排出量を30年に13年比26%減、50年に80%減を目標とする。原告らは「石炭火力発電所の増設が続けば目標を達成できない」などと指摘する。

 経産省は「訴状が届いておらず、コメントは差し控えたい」。神鋼はこれまでの取材に「周辺環境への影響は小さく、国などが定める環境基準・目標の維持達成に支障を及ぼさない」としている。

(小林伸哉、竹本拓也)

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