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来日した翌日から日本語の授業を受ける外国人技能実習生=神戸市内
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来日した翌日から日本語の授業を受ける外国人技能実習生=神戸市内

 外国人労働者を増やす入管難民法などの改正案が27日、衆院を通過した。賃金未払いや長時間労働などの問題が指摘される中、兵庫県内でも人手不足が深刻な現場では既に多くの技能実習生や留学生の受け入れが進む。関連団体は実習生や受け入れ企業の支援に力を入れる。夢を追って来日した若者たちの本音は-。

 「これは何と読みますか」「7時56分です」

 神戸市中央区にあるビルの一室。前日に来日したベトナム人約30人が、日本語の授業を受けていた。県内や広島県などの加工メーカーでつくる「阪神金属協同組合」(神戸市中央区多聞通5)。資材の共同購入を目的に、2003年に設立された。今はベトナムやフィリピンの若者と中小企業の橋渡し役を担う。約180社に計約3千人を紹介した。

 実習生は、企業による採用が決まってから半年間、現地で日本語を学んでから来日。さらに1カ月ほど組合で研修を受け、採用先に出向く。ほぼ全員が仕送りをするが、来日の理由は「日本語を覚えて仕事に役立てたい」と「キャリアアップ」を挙げる人が目立つ。

 勤務先では、ごみの捨て方や掃除方法、電話のかけ方など、習慣の違いから起こるトラブルは後を絶たない。担当者は毎月、受け入れ企業を訪問し、労働環境などをチェックする。

 「実習生の研修以上に受け入れ先のトレーニングが重要」と担当者。「今は好景気で日本が人気だが、中国やタイでも労働力不足が進む。国際的な人材確保は激化している」とみる。

   ◇

 神戸市内のあるメーカーでは、製造現場にいる従業員の約4割をベトナム人が占める。求人を出しても新卒の応募が全くない時期が続き、10年前から実習生の受け入れに踏み切った。

 寮では餅つき大会や誕生日会を開き、外食や地元の催しに連れて行くことも。同社役員は「働くモチベーションを持てるよう気を配っている」と話す。

 実習制度の目的は、習得した技術を母国で生かすこと。しかし、帰国した実習生は通訳になったり、家業を継いだり。役員は「労働力として受け入れているのは事実」と明かしつつ「仕事を覚えるのが早く、積極性もある。優秀な人材として雇い続けたい」と語る。

 国会で審議中の新制度では、実習生として3年間在留後、一度帰国しなくても新在留資格「特定技能1号」に移行できる。同社で働く実習生の男性(24)は「日本で働き続けたいので、新制度は歓迎。でも、けがや病気の保障など条件を整えてほしい」と注文する。

 市内の日本語学校に通う留学生のベトナム人男性(20)は「結局、10年たったら帰ってくれと言われているようだ。僕らに来てほしいのか、来てほしくないのか…」と首をかしげた。(末永陽子)

■兵庫の労働力不足、2030年に22万人

 外国人技能実習制度は、日本の技術を母国に役立ててもらう国際貢献の一環として、1993年に創設された。対象職種は建設や農業、食品製造、機械・金属など。2017年11月から実習期間が最長3年から5年に延長され、対象に介護が追加され計77となった。

 政府が外国人労働者の受け入れ拡大を急ぐ背景には、深刻な人手不足がある。

 パーソル総合研究所(東京)と中央大の調査によると、国内の人手不足は30年に約644万人に達する見込み。兵庫県は22万人の労働力が不足すると予測され、全国で6番目に多い。

 法務省によると、「技能実習」の在留資格で日本に滞在する外国人は、17年末時点で、全国で約27万4千人(前年比約4万6千人増)、兵庫県は前年比約2割増の8741人に上る。

 ただ、外国人を単純な「労働力」とみなす捉え方には批判もある。外国人技能実習生の労働実態が問題視されており、失踪者は11年の1534人から17年は7089人まで増加。今年は既に半年間で4279人が失踪している。

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