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中区公会堂の地下に眠る「箱だんじり」と伝わる箱=兵庫県南あわじ市沼島
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中区公会堂の地下に眠る「箱だんじり」と伝わる箱=兵庫県南あわじ市沼島
岸和田だんじり会館に展示されているだんじり原型の模型=大阪府岸和田市
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岸和田だんじり会館に展示されているだんじり原型の模型=大阪府岸和田市

 兵庫県南あわじ市の離島・沼島(ぬしま)の中区公会堂地下に、地元で「箱だんじり」と呼ばれる大きく黒ずんだ箱が保管されている。大阪府岸和田市など泉州を中心に、各地で受け継がれる「だんじりの元祖」が、実は沼島にあった?

 岸和田だんじり会館(大阪府岸和田市)によると、岸和田の祭りは江戸時代の1703年を起源とし、当初のだんじりは長持(ながもち)に車輪を付けたような簡素なもの。その後、装飾や彫刻が施されて巨大化した。およそ300年前の現物は、岸和田市にも残っていないという。

 一方、沼島の中区公会堂地下に眠る巨大な箱。大きくて外に出すこともままならず、静かに安置されている。

 公会堂の2階に古新聞を見つけた。「果たして箱ダンジリ?」「寸法、型式ほぼ同じだが」の見出しが躍る。幻とされていた原始的なだんじりが沼島にあることを突き止めたという、岸和田市のグループの活動を詳しく伝えている。

 昭和50年代とみられる記事は、沼島の箱には車輪を付けた跡があり、長さ1・5メートル、幅70センチ前後の古文書のものと同型と指摘する。ただし、箱だんじりと断定する材料がなく、「これこそ初期のダンジリそのもの」「いや単なる長持」と議論を呼んでいる-と結ぶ。

 地下の箱を見せてくれた中区の藤田学さん(48)は「地元では江戸時代の箱だんじりと言われとるけど、詳しくは知らんのや」と苦笑い。「誰も箱を開けたことがない。中にはいったい何が入ってるんやろ」と首をかしげる。

 真相は謎だが、岸和田市など泉州と沼島は、船で行き来する漁師を通じて交流が深く、文化や言葉遣いが似ているという。

 交流は今も続く。岸和田市などの祭りに参加する大阪府忠岡町の櫻井保仁さん(56)は、数年前から沼島の春祭りに参加している。趣味の釣りで島を訪れるうち、“だんじり愛”を通じて祭りに加わるようになった。「よそもんでも受け入れてくれたのがうれしい。同じだんじりの祭りでも、沼島は海に入るなど違うところがあって新鮮。毎年訪れたい」と話す。

 海を隔てたつながりは、今も生き続けている。(上田勇紀)

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