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日本酒学の一環として開かれた酒蔵見学ツアー=神戸市東灘区住吉南町4、白鶴酒造
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日本酒学の一環として開かれた酒蔵見学ツアー=神戸市東灘区住吉南町4、白鶴酒造

 国内消費が頭打ちとなる一方で輸出は過去最高を更新する日本酒について、灘五郷酒造組合(神戸市)と神戸大学(同市)が連携して「日本酒学」講座を開設し、人材育成に力を入れている。初年度の今年は講義全7回を開き、学生ら約100人が受講。日本酒の歴史や製造方法、マーケティングなどを多角的に学べると好評だ。関係者らは「海外市場で日本酒をアピールできる人材を育てたい」と、学問としてのさらなる発展に意欲を見せる。(末永陽子)

 10月から始まった講義の仕上げに、学生ら15人が11月下旬、白鶴酒造(同市)の工場を訪れた。巨大な精米機や、こうじを作る回転式自動装置、酒母を作る低温室…。技術者の案内で、普段は入れない製造現場も見学した。容量2万リットルのステンレス製発酵タンク56基がずらりと並ぶ「発酵室」では「独特のにおいがする」と、タンクの中を熱心にのぞき込んだ。

 同社の研究員、明石貴裕さんが“酒どころ灘五郷”が生まれた理由として五つの要因を紹介。酒に最適な「宮水」▽酒米「山田錦」▽丹波杜氏(とうじ)の存在▽酒造りに適した気候▽江戸への海運に適した場所-について、それぞれ解説した。

 さらに、酒造りの科学的な分析にも取り組んだ。糖化と発酵という二つの化学反応を同時に行う技術「並行複発酵」について説明。ワインやビールの製造方法と比較して「他にない高度な醸造方法が高アルコールを生み出す」とした。

 参加した国際文化学部4年の角崎奈央さん(23)は、酒蔵による地域活性化に興味を持ち受講したという。「学校や美術館の設立など、業界が地域で文化的な役割を担っている点が印象的だった。マーケティングも学び、女性に支持される可能性も秘めていると感じた」と感想を語った。

 先行して日本酒学に取り組む新潟大と新潟県酒造組合は2017年に連携協定を結び、18年度から講義を開催。一方の灘五郷も「他産地との違いを打ち出したい」と神大と手を組んだ。

 講義では、酒造会社や容器メーカーの役員、酒類総合研究所の研究員らも講師を務めた。神大大学教育推進機構の米谷淳教授は「幅広い内容で、予想以上の反響があった。新しい学問として続けていきたい」と述べた。

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