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社員と談笑する田中敏文社長。言葉の端々に優しさがにじむ=神戸市長田区
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社員と談笑する田中敏文社長。言葉の端々に優しさがにじむ=神戸市長田区

 連載「再起の誓い」第1部では、官民協働の刑務所「播磨社会復帰促進センター」(加古川市)の実情をルポした。出所した元受刑者たちは何に苦しみ、何が社会復帰の壁になっているのか。支援者たちは彼らとどう向き合っているのか。第2部では出所後の姿を追う。

   □   □

 工場や鉄工所が立ち並ぶ神戸市長田区の一角。空調設備関連会社「コウキ」の事務所を訪ねた。播磨社会復帰促進センターを出所した人たちもここで働いている。元受刑者を受け入れる事業者は「協力雇用主」と呼ばれる。

 事務所の出入り口や会議室など至る所に「コウキセブン」と記された紙が張ってある。

 1 やんちゃであれ

 2 仕事は美しく

 3 本質をつかめ

 4 リアルを追え

 5 結果にこだわれ

 6 なにも隠すな

 7 限界をやぶれ

 コウキの取締役社長、田中敏文(53)が「社訓みたいなもんです。おもろいでしょ」と豪快に笑う。ここで働く出所者は9人。うち7人が10畳の1人部屋で暮らす。天井は高く、エアコン、ベッドがある。明るい日光も差し込む。

 暮らしぶりを説明する田中に苦い思い出がよみがえった。「覚醒剤で捕まった人を受け入れてんけど、この部屋で使ってたんよ」。その出所者は、田中の下で働きだして半年で再び、薬物に手を染めた。

 「口数が少なくなって、寂しそうやったのに、深刻さに気付かなかった」。部屋で半狂乱になっているのを見つけ、通報した。「部屋を片付けてたら奥さんと子どもの写真が出てきた。悔しかった」

 コウキのような協力雇用主は全国に約2万社、兵庫県内には約650社ある。再び罪を犯して刑事施設に戻る人のうち、無職の割合は7割を超える。職業と住居の確保が、再犯防止の鍵であることは明らかだ。

 だが、塀の中で二度と戻らないと誓っても、外に出れば気が緩む。「真剣に向き合う人間が一人でもいると、(再犯を)踏みとどまる力になるはず」。協力雇用主になって4年、延べ23人を受け入れてきた田中の信念だ。

 播磨社会復帰促進センターや神戸刑務所(明石市)に足を運び、受刑者と面接する。「働きたいという人は絶対に断らない。出所したら普通の人ですから。彼らは、会社を支えてくれる大切な社員たちなんです」

 田中が、播磨社会復帰促進センターを出所した野村太一(30)=仮名=を紹介してくれた。(敬称略)

 (この連載は津田和納が担当します)

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