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兵庫県内の市町で唯一、2025年まで人口が増えると予測されている福崎町
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兵庫県内の市町で唯一、2025年まで人口が増えると予測されている福崎町
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 将来推計人口を算出する国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が、2025年まで「人口が増える」と予測する兵庫県唯一の自治体がある。それは西宮市でも神戸市でも明石市でもない。福崎町だ。現在の人口は約1万9千人。姫路市に隣接し、車なら阪神間にも1時間程度で行けるなど一定の利便性はあるが、郡部では1割減も当たり前という中で異彩を放つ。取材を進めると、数字の「あや」というべき真相が見えてきた。(井上太郎)

 社人研が今年3月に公表した地域別将来推計人口によると、県内41市町のうち、15年比で20年に人口が増えるのは西宮市(100・1%)と福崎町(101・4%)のみ。神戸市は灘、東灘、中央区で増加が見込まれるも、9区計では99・3%と微減する。25年には西宮市も99・2%に落ち込むが、福崎町は101・6%と微増が続く。

 ちなみに、福崎町は45年時点でも95・3%と、粘りを見せる。社人研人口構造研究部によると、推計は国勢調査の転出入と出生、死亡数から一律の計算式で導き、行政の人口対策などは勘案しない。担当者は「数字の背景と言われても…」と口ごもる。

 各市町が人口減少対策に躍起な中での増加推計に、福崎町職員は「県からも『なんでや』って聞かれるけど、僕らも答えようがなくて」と苦笑する。

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 だが、その答えが見えてきた。町企画財政課によると、同町では06年以降、死亡数が出生数を上回る「自然減」が続くが、転入と転出の差を表す「社会増減」は14~16年の3年間だけ増加に転じた。

 注目されるのは、20歳前後の転入が多いこと。背景には、寮生が多い神戸医療福祉大(同町高岡)の学生数の変化がある。同町のキャンパスに在籍する学生は、13年は400人程度だったが、現在は600人程度に増えた。

 つまり、人口の3%超に匹敵する同大の学生数の一時的な変化が、推計に大きく影響したとみられる。現に、同大の学生が減り続けていた13年に社人研が発表した前回の推計では、同町の人口は25年に1万8千人強、45年には1万5千人台まで減るとされた。

 福崎町の輝かしい将来人口は、特殊事情と一律の計算式が生み出した「あだ花」だったのか。

 現在、JR福崎駅周辺の再整備が進み、商業施設の誘致に関心が集まる。夜間人口(居住者数)に対する「昼間人口比率」は県内1位。町企画財政課は「潜在能力はある。『前向きな推計』に現実味を持たせるべく、暮らしやすいまちづくりに努めたい」とする。

■別の分析では「消滅可能性都市」■

 将来推計人口で記憶に新しいのは、元総務大臣の増田寛也氏が座長を務める「日本創成会議」の分科会が2014年に公表した「消滅可能性都市」だ。40年までに若年女性(20~39歳)人口が半減する自治体を名指しし、衝撃を与えた。若年女性人口減少率を51・3%と推計された福崎町も、消滅可能性都市に分類された。

 同会議は、社人研の推計を基に地域別の将来人口を分析。「東京圏への人口移動に歯止めがかからない」との前提で算出し、社人研と比べると、地方自治体にとってより厳しい数字が出ているのが特徴だ。

 10年から40年にかけての若年女性人口減少率が、兵庫県内で最も高いのは新温泉町(70%減)。福崎町は県内(神戸市内の9区を含む)で20番目の高さ。減少率が最も低かったのは太子町(20%減)だった。若年女性が減りにくく、人口減少が比較的緩やかだと予想されている。

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