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江戸時代を中心とした出版物の資料展=神戸大付属図書館社会科学系図書館
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江戸時代を中心とした出版物の資料展=神戸大付属図書館社会科学系図書館

 江戸時代を中心とした出版物を紹介する展示会「古典籍さまざま~近世の出版物より~」が、神戸大付属図書館社会科学系図書館(神戸市灘区六甲台町)で開かれている。日本初の西洋医学書「解体新書」(1774年)、国内最初の絵入り百科事典「訓蒙圖彙(きんもうずい)」(1666年)などが並び、当時の人々の旺盛な知識欲が垣間見られる。

 木版での大量印刷と商業流通が確立された江戸時代、庶民の間に読書を楽しむ文化が広まり、数多くの文芸作品も出版された。1720年には8代将軍徳川吉宗により禁書令が緩和され、交流のあったオランダの本を中心に西洋書の翻訳や出版も進んだ。

 神戸大付属図書館は2004年度から所蔵資料の展示会を毎年開催。今回は所蔵の原本約20点とパネル資料約20点で、科学・技術と文学・戯作(げさく)の分野を軸に紹介している。

 「解体新書」は全身の骨格や指の骨などを緻密に描写。医師の杉田玄白らが中心に翻訳し、その際生み出された「神経」「軟骨」などの用語は今も使われる。

 「訓蒙圖彙」は儒学者の中村愓斎(てきさい)が教育の啓もうのため作った。増補や改訂が重ねられ、これを参考に海外で日本の紹介本が作られた。チョウやカエルなどが生き生きと描かれ、鳳凰(ほうおう)をはじめ実在しないものも載せているのがユニークだ。

 日本で地動説を紹介した初期の書物という「和蘭天説(おらんだてんせつ)」▽蘭学者の緒方洪庵がコレラに関する書物を訳した「虎狼痢(ころり)治準」▽鯨油などを使った害虫駆除方法を記した農業技術書「除蝗録(じょこうろく)」-もある。

 文学関係では、当時のベストセラー旅行記「膝栗毛」シリーズを展示。十返舎一九の「播州膝栗毛」(1813年)は東海道中膝栗毛の弥次喜多が播州を巡る道中記で、食べ物屋の前に来た弥次喜多が描かれるなど、楽しそうな様子がうかがえる。

 赤穂義士に関する本や小倉百人一首に影響を受けた「列女百人一首」が並び、和洋を対比させるため同時代に英国で出版された小説も紹介している。

 神戸大付属図書館情報管理課の菊池一長(かずなが)課長補佐は「教科書で見たり、名前を聞いたりしたことのある本もあるので、気軽に見に来てほしい」と話す。

 18日まで。期間中無休。入場無料。神戸大付属図書館情報リテラシー係TEL078・803・5313

(金井恒幸)

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